2025年5月3日、タイ警察サイバー犯罪捜査局は、性的サービスの仲介サイト「Fiwfans」が再び運営されていたことを確認し、ノンタブリー県およびパトゥムタニー県で大規模な摘発を実施しました。10人が売春関連の容疑で逮捕され、現金や携帯電話など総額20万バーツ相当の証拠品が押収されました。
「Fiwfans」は2025年1月にも摘発を受けており、当時も売春の仲介を行っていたとして、関係者が多数逮捕されていました。その後、URLを「fwfans.com」に変更するなどして、事実上の再開を行っていたことが明らかとなりました。
新たに運営されていたサイトでは、女性やLGBTQの登録者が自身の写真や情報を掲載し、LINEなどのSNSを通じて顧客とマッチングしていました。収益は広告主、仲介者、運営側で分配されており、運営開始からわずか2か月で2,000人以上が登録していたということです。活動拠点は全国に広がり、流通資金は1,000万バーツ以上にのぼるとみられています。
5月2日に行われた家宅捜索では、以下の2か所で容疑者を逮捕しました。
・ノンタブリー県のアパート:6人を逮捕(うち1人はラオス国籍)。現金、携帯電話、避妊具などを押収。
・パトゥムターニー県のホテル:4人を逮捕(うち2人はラオス国籍)。同様の証拠品を押収。
警察は、容疑者らに「売春の広告・勧誘行為に関する法令違反」の容疑での起訴を進めており、現在も逃走中の関係者の行方を追っているほか、資金の流れを追跡して違法に得た資産の差し押さえを行う方針です。また、通信技術省との連携により、問題のサイトの遮断も進められています。
なお、このような形で行われる副業的な売春は、タイでは「サイドライン(sideline)」と呼ばれる風俗の一形態です。女性が性的サービスを提供し、主にネットやSNSを通じて顧客とつながります。拠点は店舗ではなく、アパートやホテルの一室であることが多く、摘発が難しいという実態があります。