「骨密度が高い」と言われると、骨粗しょう症の心配とは無縁のようで嬉しいものだが、インドの女の子は、骨密度が高すぎる「大理石骨病」の症状で病院を受診。
6歳なのに歯が1本しか生えてなく、頭蓋骨が肥大化して、視力や聴覚に異常があった。
国際医学誌『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に20日付で掲載された報告によると、インド中部テランガーナのMNR歯科大学に最近、6歳になっても1本しか歯が生えていない女の子が両親に連れられてやってきた。
ウーディ・シャンカー・ヤガ医師らが診察したところ、この女の子は他にも低身長で部分的な聴力障害があり、2歳で視力を失っていた。
さらに血液検査したところ、血清カルシウムの濃度が、基準値を大幅に下回る5.7mg/dl(正常値:8.7〜10.3mg/dl)だと判明。
CTスキャン検査の結果、頭蓋骨が異常に厚く脳を圧迫しているほか、手首の骨にも異常があることがわかり、医療チームは「大理石骨病」だと診断を下した。
およそ10万人にひとりの割合で発症すると言われる大理石骨病は、骨の新陳代謝を司る細胞機能に異常が生じる、遺伝子の変異が原因の病気。
骨が吸収されにくくなって、骨密度が高まり、中心にある骨髄のスペースが狭くなって、血液が正常に作られなくなり、さまざまな症状が現れる。
この女の子のように乳幼児が発症するのは、大頭症や進行性難聴、視力障害のほか、肝臓や脾(ひ)臓の肥大など、臓器に異常が起こり、致死性が高い悪性タイプだが、成人の場合は、虫歯がきっかけの骨髄炎のほか、噛み合わせが悪くなるなど口腔内異常や脳神経麻痺などの症状が起こる。
患者は現在、骨粗しょう症の治療薬が投与されているが、それ以外の治療方法は医師団が両親と検討中だという。
小児慢性特定疾病情報センターによると、日本国内では造血幹細胞の移植が勧められるケースが多い。
【日時】2017年05月05日(金) 06:00
【提供】ハザードラボ