激しい火山活動が続くバヌアツのアオーバ島では、住民のほとんどが島外で避難生活を送るなか、火山学者がマナロ・ヴォイ火山の最新画像を公開した。
噴火を繰り返した影響で火口を取り囲んでいた湖水は干上がり、わずかに赤い水たまりを残すのみだ。
オーストラリアの北東沖に位置するアオーバ島では、昨秋以降、島中央に位置する火山湖で爆発が相次いで発生。
今年4月の大爆発では、過去3年間で地球上に存在するすべての火山のうち最大規模となる量の二酸化硫黄が放出された。
火山灰や土石流で農地は荒れ果て、地下水も汚染。
大気汚染で島民の健康状態が悪化したことから、妊婦や子侠高齢者などを含む多くの島民が近隣の島で避難生活を送っており、現在残るのは、輸送便の迎えを待っている比較的被害が少ない地域の住民だ。
仏マグマ火山研究所(LMV)の火山学者、フィリップソン・バニ博士は今月27日、白い噴気を放出するマナロ・ヴォイ火山湖をドローンで撮影した画像を公開した。
かつて酸性度の高い湖水を湛えていた火山湖は、降り積もった火山灰で草木は立ち枯れ、湖水は血のように赤黒い水たまりを残すのみとなった。
アオーバ島行政の長、ベヌエル・ガレー氏は今年4月、「島はもはや生き物が安全に生活できる場所ではない。我々は島を永久的に捨てて、移住することも考えるべきだ」として、移住資金の支援の必要性を政府に訴えている。
【日時】2018年05月29日(火) 17:14
【提供】ハザードラボ