🍆 燕市雑談

<三条市歴史民俗産業資料館別館備品の受注決定後、締結した４契約全てにおいて、契約に定めた納入期限までに納品がされず、さらに全ての契約物品が未発注であったことから、令和５年11月20日付けで契約を解除した>

<納入期限までに納品がされず>といったこともさることながら、<全ての契約物品が未発注>など信じられない事態で、「納品すっぽかし」というほかない。

このあたりまでは報道もあって広く知られている。この物品納入の選定に当たっては、令和５年４月21日に納入業者を選定する入札が行われている。業者選定は指名競争入札で行われた。これほど騒動となった一件だが、入札の中身そのものは公開されていないようだ。

その内容について、本誌では読者からの提供を得た。どの業者がいくらで入れて、どの業者が落札したかを示した書類を入札調書と呼ぶ。

読者からは入札調書そのものの掲載は避けてほしい旨、要請された。だがその内容を再現するように示すことには了解を頂いているので、入札調書の内容を示したものが別掲の表だ。これは４件あった契約案件のうち１件に関するものだという。



　　　入札者　　　|　記事　|　入札金額（円）
浅間家具店　　　　|　　　　|　　　17,583,000
エコシスマルト　　|　　　　|　　　18,855,000
川勝文具店　　　　|　　　　|　　　19,300,000
近藤與助工業　　　|　辞退　|　　　
ノジマ事務機　　　|　　　　|　　　17,700,000
羽生紙文具店　　　|　辞退　|　　　
ストカ　　　　　　|　落札　|　　　 3,000,000



指名された７者で、実際に応札したのは５者。２者は辞退した。読者によれば、「物品だから最低制限価格はない」という。それにしてもストカの応札金額、３００万円は異常と言うしかない。最高額である１千９３０万円の１５%程度の金額でしかない。

この額で入れた業者も業者なら、いかに最低制限価格はないにしろ、問題視しなかった発注者の市も市だ。



つづく

発注者責任もあり

冒頭で紹介したように、この一件は滝沢亮市長が陳謝せざるを得ないような深刻な事態らしい。本誌の読者はこう言う。

「ストカは市への納入実績があるから指名されたとのことですが、過去の入札では２者が応札し１者が辞退、実質的にストカの１者随契といったこともありました。この点については市議会でも問題視されています」（本誌の読者）

12月６日、酒井健市議がこの点について一般質問で取り上げている。別掲の７者を指名した理由について、市側はこう答弁した。

「この度の指名競争入札においては、会計課が物品の入札参加資格者名簿から、市内に本社がある法人等で、入札参加を希望する品目について家具で登録している業者のうち、大型の家具の取り扱いが可能で、また過去に辞退された事例などを考慮し、ストカを含む７者を指名業者として選定したものです」（会計課長）

教科書のような答弁だ。

「工事における入札では品質や施工管理について、品質が厳しく発注者によって管理されますが、納入について発注書の確認や、メーカーへの確認は行っていたのか」（酒井市議）

市民部長の答弁は以下のよう。

「落札時、ストカからは、その金額で納品できるという回答であったことから、履行不能の恐れがあるとは判断できず、物品の購入契約である今回の事案では発注書の確認やメーカーへの確認は行っていません」（市民部長）

酒井市議も一般質問の中で言っているが、「この金額で確認しない方がおかしい」と言わざるを得まい。

「現時点で考えてみれば、当初落札した時点での、ストカからの入札の金額で納入できるという回答を鵜呑みにしてしまったこと、その後の確認においても疑いの考えを抱かず同社のことを信じきってしまった結果、このような事態となってしまったことは本当に至らなかったものと反省しているところです」（市民部長）



つづく

えっ、滝沢市長が…

前出の読者はこう言う。

「発注者責任は、あんな安値なのに調査もしなかったことだけではないんです。仕様書を見ると、業者側にＩＳＯの取得を求めているのに、落札業者のストカはＩＳＯを持っていないんです。だからＩＳＯを取得している業者に丸投げせざるを得ないことは、発注者も入札の際から分かっていたことです」

どうもこの入札、指名業者の選択といい、落札金額といい、超低額でも調査しなかった対応といい、解せないことがあり過ぎるようだ。

入札そのものとは直接関係ないが、妙な話がある。

「ストカの専務は元商議所会頭の甥なのだが、その元商議所会頭の会社に滝沢市長が行っていたという目撃情報がある。何をしに行ったのか不明なのだが」（三条市内の会社役員）