昨年末の糸魚川大火の被災地域を校区に抱える糸魚川小学校で10日、3学期の始業式が行われた。渡辺寿敏校長は「たくさんの家が燃え、店をなくした人も多い。困っている人たちに、自分は何ができるだろうか考えてほしい」と児童約460人に呼び掛けた。
大火では、糸魚川小児童計3人の自宅2軒も焼けた。渡辺校長は大火について、学校の活動に協力してくれた商店街の店の多くが焼けたことや、地域の人たちが周りに気を配った結果、大火で死者が1人もいなかったことなどを説明した。
さらに「仁」と書いた紙を示し、「この学校にも家が火災に巻き込まれてしまった友達がいる。いつもと違うクリスマスやお正月を過ごした人がいるということを優しい気持ちで受け止めてほしい」と語ると、児童は真剣な表情で聞いていた。
糸魚川小は冬休み中、各家庭に大火の影響などについて、聞き取り調査をした。「眠れない」などの不調を訴える児童がいるため、カウンセラーによる心のケアに努めていくという。
県教育委員会によると、10日は公立小中学校708校のうち568校が新年最初の授業を行った。