新潟県妙高市の妙高高原地域などでリゾート開発を進める外資系不動産投資ファンド「ペイシャンス・キャピタル・グループ(PCG)」のケン・チャン最高経営責任者(CEO)が2月16日、都内で新潟日報社の取材に応じ、高級ホテルを妙高杉ノ原スキー場の駐車場に建設すると明らかにした。アパレルブランドなどの商業施設やホテル従業員用住宅も合わせた第1段階の開発は2028年末の整備を目指すとし、「オールシーズンの観光地にしたい」と語った。
高級ホテルの整備は当初27年末を目指していたが、能登半島地震の発生により復興工事が優先されるとみて9カ月〜1年程度遅れる見通しになった。開発の第1段階で2、3棟を妙高杉ノ原スキー場の駐車場を中心に建設し、増設も検討している。
ホテルを運営する会社は昨年、プロポーザルを実施し、外資系ホテルなど10社以上が参加。「ホテルの規模やどういうコンテンツを入れるかは提案を踏まえて検討する」と語った。
PCGは妙高高原と隣接する長野県の斑尾・野尻湖地域で計350ヘクタール程度の用地を取得済み。妙高市と長野県飯山市にまたがる斑尾高原スキー場を取得し、昨年11月には西武ホールディングス(HD)から妙高杉ノ原スキー場を買収した。
リゾート開発のため、観光特化型不動産ファンドで約350億円を資金調達したが、「新たなファンドを立ち上げ開発を続けようと思っている」と説明。開発は今後、10年程度かけて進めるとし、「投資規模としては2千億円ぐらい」と見込む。
国内のスキー客は減少しているが、「欧米のスキー人口は増えている。いい施設を造れば日本でもスキーブームが来る」と分析。自然や食、温泉のほか、音楽やアートなどでコンテンツを打ち出し、通年で観光客が訪れるリゾート地を目指すという。
妙高高原は北陸新幹線など首都圏からのアクセスが武器になるとし、「立地が素晴らしく、雪が多くてふわふわ」と評価。開発を進める上で「地元とコミュニケーションを取っていきたい」と話した。