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辰野ほたる祭りの歴史の中で,当初のホタルは,天然記念物指定当時の,文字通り,天然のホタルであった。しかしその後,観光用のホタル移入増殖事業で,松尾峡の自然のホタルは,すっかり絶滅してしまった(辰野の移入(外来)ホタル 生物多様性の喪失へ)。
現在でも,ブログなどでは,「東日本随一といわれるゲンジボタル発生地は長野県の天然記念物に指定されており、豊かな自然環境に恵まれている。」と自慢しているが,今述べたとおり,天然記念物指定当時のゲンジボタルは絶滅に追い込まれてしまっているのである。
辰野町松尾峡は,1926 年に「ホタル発生地」として,長野県天然記念物に指定され,さらに,1960年に再指定された。当時は,もちろん,在来種ゲンジボタル生息地であり,見学も無料であった。しかしその後,観光用に外来種ゲンジボタルの移入・養殖が始まり,有料化された。
私の研究結果で判明しただけでも,辰野町が県外からホタル移入を繰り返し,かつ,それを陳情に行っている実態が浮かび上がってきた(長野県辰野町松尾峡におけるゲンジボタル移入の歴史について)。
1961,62 年に,滋賀県で買ってきた成虫 4000 匹を産卵させ,それぞれ 40 万頭と 30 万頭の幼虫を放流
1963,64 年に,東京のホテル椿山荘で飼育されていたゲンジボタルの卵を数百万から数千万個もらってきて放流
さらに,町役場幹部が,東京・板橋のホタル施設に行き,そこで飼育しているゲンジボタルとカワニナを提供して欲しいと陳情したが,断られるという問題まで起きている(辰野町,ほたる祭り用の蛍が欲しいと東京・板橋に陳情)。
今の大量のホタルが見られるようになった要因は,元を辿れば,このような大量の外来種ホタル移入養殖事業があったからであり,断じて,地元に住んでいたゲンジボタルを保護して復活させたわけではない。
どこの自治体でもこれぐらいの事はやっていると思います
観光が潤えばマネーも流れウインウインなんです
事実ですがいいんです知らなくても