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【ドン・キホーテが本気で恐れる「若者離れ」の深刻な正体】
■宝探しをリアル店舗ではなくSNSで行う若者たち
迷路のように入り組んだ通路、天井近くまでうず高く商品が積み上げられた「圧縮陳列」、ド派手なPOPの洪水――。そうした“猥雑”な雰囲気のなかで、宝探しをするような感覚でワクワクしながら買物を楽しめる「時間消費型」の店づくりが、PPIHが考える「ドン・キホーテの価値」だった。しかし都内の大学生に話を聞くと、「買物することはあるので『ドンキ離れ』といわれるとピンと来ない。でも、事前に買うものは決まっているから、(ドンキは)時間をつぶす場所にはならない」と断言する。「買うものが決まっている」のは、彼らがツイッターやインスタグラムなどのSNSであらゆる情報を収集するためだ。 “宝探し”なら、SNS上でも十分体験できるというわけである。
「アマゾンという巨艦にはどうあがいても勝てない」(大原氏)として、PPIHは18年に国内EC事業から全面撤退している。勝ち目のない競争に参加するよりも、リアル店舗の価値や魅力の最大化に集中するほうが得策、という考え方である。しかし、その価値や魅力が若年層に響いていないとすれば、PPIHは新しい店のあり方を再考しなければならない。
2019/12/26 05:55