■帰宅ラッシュの埼京線 犯行は2分間
自称・自営業の五十嵐薫容疑者(43)は、8月、東京のJR池袋駅から板橋駅の間を走行中の埼京線の車内で、帰宅途中の女性(20代)に、痴漢をした疑いが持たれている。犯行は、平日の午後6時45分ごろからのわずか2分間に起きた。
帰宅ラッシュの埼京線。被害者の女性は新宿駅から先頭車両に乗った。池袋駅で降車する他の乗客とともに、いったんホームへ。その後、再び車内へ戻ったところに五十嵐容疑者が現れた。乗客に押されながら2人は車両の中ほどで正面に向き合う形となった。扉から最も遠い場所だ。
■容疑者はスカートをたくし上げ 下着の中へ
調べによると、五十嵐容疑者は、電車が出発すると、すぐに女性が着ていたロングスカートをたくし上げ、太ももに手を伸ばした。そこから犯行はエスカレート。下着付近を触った後、その手は下着の中へ。被害者の女性は、最初、声を上げることができなかったという。
しかし、女性は”泣き寝入り”しなかった。勇気を振り絞って五十嵐容疑者の手をつかんだのだ。電車は、そのまま板橋駅に到着。ところが車両が揺れて、女性の手が離れた。そのすきに五十嵐容疑者は逃げ出した。
■逃げ出す容疑者 乗客の1人が後を追った
「なんだなんだ?」「痴漢か?」車内は騒然とした状態に。すると近くにいた男性が五十嵐容疑者を追いかけた。混雑する駅のホーム。人混みを縫うようにして走り、改札を出たところで、五十嵐容疑者を取り押さえた。
五十嵐容疑者は、駅員に引き渡されたが、現行犯逮捕とはならなかった。その後、警視庁板橋署は、防犯カメラ映像の解析を進めた。五十嵐容疑者の手からは女性のDNA型が検出された。証拠を固めた末に、10月20日、強制わいせつ容疑での逮捕に踏み切った。
【日時】2021年10月21日 12:12
【ソース】FNNプライムオンライン