10歳の時に、母タニアさんから「テニスをやるなら決勝に行ってね」と言われた聖地で、ハレプは両ひざをつき、歓喜に浸った。世界のテニス界で最も有名な優勝プレート、「ローズウオーター・ディッシュ」を抱きしめると「信じられない」と笑みがこぼれた。スタートから圧勝だった。一気に4−0とリードし、24度目の優勝を狙うセリーナの勢いを止めた。凡ミスの数はハレプの3本に対し、セリーナは9倍近い26本。セリーナの強打に対し、コート上を走り回り、球を拾いまくった。優勝者は会場のオールイングランドクラブの名誉会員に推薦される。「それが最高のモチベーションだったわ」。そう言って笑った。