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一度に水を、ガブガブ飲み過ぎてしまうと、水中毒となってしまう恐れがあります。
この水中毒は『低ナトリウム血症』と言って、死亡例も報告されている症状です。
血液も含め人間の体は、凡そ70%が水分(体水分)。
その一㍑あたりに、4.2㌘ほどの塩分が含まれており、
発汗や排尿によって、塩分を含んだ体水分が失われると喉が渇きます。
発汗の多い夏場に水を飲みたくなるのは、この為です。
体が水分と同時に塩分を欲している時に、塩分を含まない水を多量に飲んでしまうと、
体水分中の塩分濃度が極端に下がり、『低ナトリウム血症』になってしまいます。
この状態が水中毒であり、進行度によって様々な症状が現れます。
血液中のナトリウムイオンの正常値(基準値)は、138〜145ミリイクイバレント。
水を大量に飲む事で、130を下回ると『軽度の疲労感』を覚え、
120を下回ると、『頭痛』『嘔吐』『精神症状』等を訴えるようになります。
110を下回ると、『痙攣』や『昏睡』状態に陥り、
100以下では神経の伝達が阻害され、『呼吸困難』等で死亡する事があります。
この低ナトリウム血症は、更に『甲状腺機能低下症』や『ネフローゼ症候群』等の疾患、
『腎不全』『心不全』等も引き起こす事があります。
熱中症対策には、水分補給が必須なのは間違いないが、
水中毒を避ける為には、水分と塩分を適量だけ補給する事が大事となります。