1回飲むだけでウイルスの増殖を抑える新たなインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」が、国の承認を受けた。
開発した大阪市のシオノギ(塩野義)製薬は、今年5月の販売開始を目指す。
インフルエンザの治療薬には現在、内服薬の「タミフル」と吸入薬「リレンザ」「イナビル」、点滴薬「ラピアクタ」の4種類が一般に流通しているが、患者の年齢や状態によっては使用できない場合もある。
いずれの治療薬も発症後、48時間以内に投与しなければ効果がない。
シオノギ製薬が開発したゾフルーザは、A型とB型の患者が対象で、既存の薬剤とは異なるメカニズムでウイルスの増殖を抑制する効果があるとされる内服薬だ。
現在流通している唯一の飲み薬であるタミフルは、1日2回5日間飲み続ける必要があるが、ゾフルーザは錠剤を1回飲むだけで治療が終わる。
同社が6ヵ月以上12歳未満の子供104人と、12歳以上65歳未満1064人を対象にした臨床試験では、咳や喉の痛み、鼻づまりなどの症状が消失し、平熱状態に戻るまでにかかった時間は、約21時間余り(中央値)と素早い治療効果が見られたという。
薬価は既存薬のタミフル(1カプセル283円/中外製薬)などとの比較で決まるが、シオノギは薬価基準が決定次第、今年5月をめどに発売を開始するとしている。
なおゾフルーザは、昨年10月25日の申請から、従来より審査期間を短くして早期の実用化を目指す「先駆け審査指定制度」で承認された。
【日時】2018年02月26日(月) 14:17
【提供】ハザードラボ