30日、東京競馬場では競馬の祭典・日本ダービー(G1)が行われる。その余韻が冷めやらぬなか迎えるのが伝統のハンデ重賞、目黒記念(G2)だ。
今年のJRAレーシングカレンダーを見ても、同日に同じ競馬場で平地重賞が開催されるのはこの日だけ。ダービーを当てた人も、負けた人も“おかわり”ができる特別なレースである。昨年は1番人気キングオブコージが勝ったが2~3着に人気薄が入り、三連単8万円超えのヒモ荒れとなった。やや混戦模様の今年も高配当に狙いを定めて予想していきたい。
「◎」は、7番サトノルークス(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)とする。
2年前には菊花賞(G1)でワールドプレミアとクビ差の2着に入った実力馬。その後は骨折もあって、6戦連続で掲示板を外している。
しかし、前走のメトロポリタンS(L)で復活の兆しを見せた。59kgを背負って、勝ち馬から0秒6差の6着。今回は2歳の時以来となる軽量55kgで、前走からは4kg減。そろそろ激走があってもおかしくないだろう。
4年前の1歳セレクトセールで3億円近い高額で取り引きされたサトノルークス。これまで稼いだ賞金は1億円強で、元を取るにはまだまだ走ってもらわなければ困る。ちょうど2年前のダービーでは、スタートでよれて17着に惨敗した。2年越しの“リベンジ”に期待したい。
「○」は11番グロンディオーズ(牡6歳、美浦・田村康仁厩舎)だ。
この馬は3年前の菊花賞に4戦3勝で出走。勝ったフィエールマン(7番人気)を上回る6番人気に支持された素質馬だ。その後は屈腱炎を発症し、1年半以上戦列を離れたが見事に復活。前走のダイヤモンドS(G3)でオーソリティを抑え、重賞初勝利を飾った。
その後は具合があまり良くなく、天皇賞・春(G1)には向かわず、確勝を期してここへ。前走から一気に距離が900m短縮されるが、東京2400mでは2戦2勝。2戦ぶりに手綱を取るC.ルメール騎手の存在も重賞2連勝を後押しするか。サトノルークスとほぼ同等評価の対抗とする。
「▲」には、5番ウインキートス(牝4歳、美浦・宗像義忠厩舎)を指名して高配当を狙う。
前走の日経賞(G2)では、この馬に「◎」を打ったが、まさかの最下位15着に沈んだ。しかし、敗因は明らかで、3角で致命的な不利を受けたのが全て。道中の手応えから、不利さえなければ馬券圏内は十分あったはずだ。ユーバーレーベンに続きゴールドシップ牝駒が府中の芝で躍動できるか。
「△」は川田将雅騎手の8番ヒートオンビート(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
母が桜花賞馬のマルセリーナという良血馬だが、初勝利に5戦を要した遅咲き。いい脚を長く使えるその脚質は広い東京向きで、「2-1-1-0」と好相性の川田騎手とのコンビで好走を期待したい。
「×」は3頭を押さえる。
54歳の大ベテラン柴田善臣騎手が騎乗する4番サンアップルトン(牡5歳、美浦・中野栄治厩舎)は、東京コースで3、2、3、4着と大崩れしていない。出遅れさえなければ好勝負必至だろう。
2連勝中の上がり馬、6番アドマイヤポラリス(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)は、昇級初戦がG2と条件は易しくない。斤量も55kgとやや見込まれたが、前走で中山への初長距離輸送を克服している点を評価した。
最後は、12番ダンスディライト(牡5歳、栗東・松永幹夫厩舎)。3走前のオリオンS(3勝クラス)でヒートオンビートに競り勝ち、昇級初戦の京都記念(G2)でもラヴズオンリーユーと0秒7差と健闘。昨年キングオブコージを導いた横山典弘騎手の手綱さばきで上位の可能性も。
以上、大荒れを期待して出走16頭中7頭に印を回した。今年の“借金”を帳消しにするためにも、ここは思い切って保険をかけず、三連単で大勝負をかける。
三連単フォーメーション(30点)
◎○→◎○▲△→◎○▲△×
<筆者プロフィール>
八木遊
競馬、野球ライター。スポーツデータ会社、テレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、Twitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。