欅坂46のファーストアルバム『真っ白なものは汚したくなる』が7月19日に発売され、発売初日に発表されたオリコンデイリーアルバムランキングで第1位(推定売上枚数約18.5万枚)を獲得する好スタートを切った。
今回のアルバムのリード曲となっているのは「月曜日の朝、スカートを切られた」という楽曲。
なんとも意味深なタイトルで、センターの平手友梨奈をメンバーたちが突き飛ばし合う、まるで“イジメ”のようなダンスも衝撃的だ。
「ショッキングなタイトルですが、歌詞の内容そのものはそこまで大したものでもなく、10代の少年少女たちのいら立ちや、社会のストレス、歪みなんていうものを歌ったメッセージソングです。デビュー曲の『サイレントマジョリティー』から続く、欅坂の世界観を踏襲した楽曲で、ファンも絶賛していますよ」(アイドル業界関係者)
社会問題を投影した楽曲をアイドルに歌わせるのは、秋元康プロデューサーの得意技だ。
「初期のAKB48にはイジメを扱った『軽蔑していた愛情』なんていう曲もあったし、おニャン子クラブだったら先生との恋愛を描いた『およしになってねTEACHER』とか、痴漢冤罪の『おっとCHIKAN!』とか、社会風俗的なものを切り取った曲は多い。ブレーク後のAKB48は恋愛の曲が多くなりましたが、いってみれば今の欅坂の歌詞は、秋元氏の真骨頂でしょう。社会が反映されたような歌詞は、中高生男子の心に刺さるんでしょうね」(同)
しかし、音楽業界関係者からは、欅坂46の楽曲に対して辛辣な意見も少なくない。
ベテラン音楽ライターはこう話す。
「若い女の子アイドルのファンに向けた曲なので当然なんですが、やはり“中二病”すぎるというか、ガキっぽすぎるという印象は強い。“青春イライラ系”のマンガやアニメのようなイメージで、若い子たちがグッときそうな要素をなんとなく散りばめただけといった感じですよ。とはいっても、本当にディープな内容の歌詞だったら、そんなに売れることはないんでしょうから、マーケティング的にはさすがとしか言いようがないです。作品としては浅薄かもしれないけど、商品としては最高だと思います」
その一方で、鬱々とした曲ばかりを歌わされる欅坂のメンバーたちを心配する声も多い。
別の音楽関係者が話す。
「いかにもアイドルっぽい元気でかわいらしい曲を歌いたいのに、プロデューサーの趣味全開の曲を歌わされて、メンバーのモチベーションが下がってしまう、というのはアイドルあるあるなんですよ。欅坂もまさにそういう状況になるのではないかといわれています。曲は暗いし、“格好いい”とされているダンスも奇をてらっているものだしで、それが本人たちがやりたいこととは到底思えないですからね。スケジュール的な忙しさもあってか、取材現場などでもメンバーたちの覇気がないという話も聞きます。メンタル的に潰れていくメンバーが出てこなければいいんですが……」
バラエティ番組では笑顔を見せてはいるものの、ほかのアイドルからするとどうも暗いというイメージは拭えない欅坂。
まったくもって余計なお世話だが、そろそろ明るい曲を歌わせてあげたほうがいいのでは?
【日時】2017年07月24日(月)
【提供】日刊サイゾー