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新型コロナウイルスの感染者が激増する韓国で経口治療薬（パキロビッド）が品薄になり、入手できない医療現場からは悲鳴が上がっている。主要紙は「60代以上などで感染が分かっても治療薬をもらえないケースが増えている」と報道。「本当に無責任な政府だ」などと厳しく批判した。

聯合ニュースによると、韓国の中央防疫対策本部は17日、この日午前0時現在の国内の感染者数が前日午前0時の時点から62万1328人増え、累計825万592人になったと発表した。1日当たりの新規感染者数は前日（40万711人）から22万617人急増し、初めて60万人を上回った。新たに報告された死者は429人で、前日（164人）より265人も多い。1日の死者が400人を超えたのも初めてだ。

こうした中、朝鮮日報は社説で「感染者が増えても、治療薬の供給がスムーズに受けられるなら、重症化や死に至る状況は大幅に減らせるだろう。政府は発症後5日以内に治療薬を服用すれば、入院や死亡の確率を88％減らせると言った」と指摘。「ところが、これまで2カ月間の処方件数は4万件にすぎない。治療薬が不足しているため、感染者数が増加するにつれて重症者や死亡者も急増する悪循環に陥っている」と危機感をあわらにした。

さらに「政府が当初から新型コロナ治療薬を適切な時期に十分確保していたら、このようなことにはなっていなかっただろう」と言及。「人口比で見ると、韓国の治療薬契約量は米国・英国・日本などほかの国に比べて少ない。それでも少しずつ韓国に入ってきているものの、最も必要な時に品薄現象に陥っているのだ」と続けた。

社説は「今回の新型コロナ対応で、政府はマスクやワクチンを適切な時期に供給できず、国をひどく混乱させた」と断罪。「そして今、治療薬すら適時に確保・供給できず、国民を危険にさらしているのだ。世界がうらやむという『K防疫』で政府が適切な時期に自らの役割を果たしたことがあるだろうか。国民がプライバシー保護や生存権を犠牲にして政府の方針をよく守り、従った結果を、政府が自ら公認したことかのように自分の手柄だと言っただけだ」と文在寅政権を非難した。

その上で「韓国の新型コロナ感染者数が圧倒的な世界1位になってかなりたつ。死亡者数も決して少ない数字ではない」と警告。「治療薬すら適時に供給できなかったとすれば、感染者数が激増する状況で、何を思って防疫措置を緩和したのか理解に苦しむ。それにもかかわらず、防疫当局は『死亡者数は予測を下回る水準』という言葉ばかり繰り返している」などと語気を強めた。（編集/日向）