上空を覆っている寒気の影響で、日本海側を中心に各地で大雪が降っているが、先週末、猛烈な寒波が襲った米国東部では、水面が凍りついた沼で、呼吸できなくなったワニが、忍者さながらの水遁(すいとん)の術を披露した。
爆弾低気圧がもたらした猛烈な寒波によって、米東海岸では亜熱帯気候のフロリダ州でイグアナなどの爬虫類が低体温ショックに陥ったり、マナティーが凍死するなど、多くの野生動物も犠牲にあった。
そうしたなか、南東部のノースカロライナ州では、大西洋に注ぐシャロッテ川沿いにある自然公園内の沼も水面に厚く氷が張り、水中生物が呼吸できない状態になった。
公園職員らが心配して見守るなか、分厚い氷上のところどころに見慣れない物体が出っ張っていることに気づいた。
よく見ると、シュノーケリングのように鼻先だけ水面に出して呼吸しているワニだった。
変温動物であるワニは、自分自身では体温調節ができず、体温を一定に保つことができないのはご存知のとおり。
川や湖の土手に上がって日光浴する姿はよく知られているが、大気中の気温が下がれば水温の方が高いため、水の中にいた方が得策だ。
フロリダ大学で野生生物の生態を研究していたジェームズ・ペラン・ロス元准教授は、今回のように水温が4℃以下に下回った場合は、代謝機能が低下して動きが鈍くなるため、なんとかして呼吸を確保しようとワニが努力した末の苦肉の策だろうと推測している。
【日時】2018年01月12日(金) 15:30
【提供】ハザードラボ