🏦 経済

田村副社長「深くおわび」

2021年時事通信2021年10月15日18時26分

オンライン記者会見で、１４日夕方に発生した通信障害について陳謝するＮＴＴドコモの田村穂積副社長（中央）ら＝１５日午後


　ＮＴＴドコモは１５日、全国で１４日夕方に発生した通信障害の影響規模が約２００万人に上ると発表した。通信する際に必要なサーバーへの位置情報の登録ができず、ネットワークに接続できなくなった。通話がしにくくなった利用者も含めれば、実際に影響を受けた人数はさらに多くなる可能性がある。
ドコモ、３Ｇで通信障害続く　４Ｇと５Ｇは回復

　同社の田村穂積副社長は１５日、オンライン形式で記者会見し、「ご迷惑をお掛けし深くおわびする」と陳謝した。一方、「ガラケー」と呼ばれる旧来型端末で主に利用される「３Ｇ」は一部でつながりにくい状況が続いている。田村氏は、復旧には「しばらくかかる」として具体的な見通しは示さなかった。
　障害は１４日午後５時ごろに発生。同８時前に回復したが、回線の混雑は続き、現在主流の通信規格「４Ｇ」と高速大容量規格「５Ｇ」が復旧したのは１５日午前５時すぎだった。８０００万件超の契約を抱えるドコモだけでなく、ドコモ回線を利用してサービスを提供する格安スマートフォン会社も影響を受けた。
　障害により、音声通話やインターネット交流サイト（ＳＮＳ）、動画視聴のほか、ドコモの「ｄ払い」などスマホ決済を利用できなくなった人もいたという。通信障害があった時間帯の音声通話は前週に比べて１５％、データ通信量は４％減少していた。
　ドコモによると、障害はタクシーの決済端末や自動販売機などＩｏＴ（モノのインターネット）機器のサーバーを切り替える作業で発生した。旧設備から新設備への移行がうまくいかず、いったん旧設備に戻したが、ＩｏＴ機器から想定を上回る大量の位置情報が送られてきたため通信を制限した。
　同社は再発防止に向け、「処理能力を踏まえた適切な切り替え手順に見直す」としている。