死因贈与の契約無効 安城のNPO敗訴 「公序良俗に反する」 (2021年1月29日)
身寄りのない高齢者の身元保証代行を請け負う愛知県安城市のNPO法人えんご会(神谷邦子代表)が、死亡した高齢者との贈与契約に基づき、金融機関に預金の返還を求めた訴訟の判決が二十八日、名古屋地裁岡崎支部であった。
近田正晴裁判官は「公序良俗に反する契約で無効」として請求を棄却。
契約が結ばれた背景に「安城市とNPOの癒着が認められる」との判断も示した。
判決によると、えんご会は二〇一七年一月、同市社会福祉協議会が運営していた養護老人ホームに入所中の八十代女性と、身元保証や緊急時の対応などを支援する契約を約九十万円で締結。
その一カ月後、「不動産を除く全財産を贈与する」との死因贈与契約も交わした。
契約書はひな型もある私文書で、死後の葬儀や財産の処分などについて女性の意向を確認せずに作成されたとみられる。
女性は翌年に死亡し、同会が同市の碧海信用金庫に約六百二十万円の預金の払い出しを求めたところ、同信金は契約書の不備や、過去に同会と預金者の遺族とのトラブルがあったことなどを理由に拒否していた。
身寄りのない高齢者の身元保証代行を請け負う愛知県安城市のNPO法人えんご会(神谷邦子代表)が、死亡した高齢者との贈与契約に基づき、金融機関に預金の返還を求めた訴訟の判決が二十八日、名古屋地裁岡崎支部であった。
近田正晴裁判官は「公序良俗に反する契約で無効」として請求を棄却。
契約が結ばれた背景に「安城市とNPOの癒着が認められる」との判断も示した。
判決によると、えんご会は二〇一七年一月、同市社会福祉協議会が運営していた養護老人ホームに入所中の八十代女性と、身元保証や緊急時の対応などを支援する契約を約九十万円で締結。
その一カ月後、「不動産を除く全財産を贈与する」との死因贈与契約も交わした。
契約書はひな型もある私文書で、死後の葬儀や財産の処分などについて女性の意向を確認せずに作成されたとみられる。
女性は翌年に死亡し、同会が同市の碧海信用金庫に約六百二十万円の預金の払い出しを求めたところ、同信金は契約書の不備や、過去に同会と預金者の遺族とのトラブルがあったことなどを理由に拒否していた。