>>188-192
貨幣制度が(ほとんど)ない。ソウルは世界有数の汚く悪臭のする都市であり、
一般民衆の住む場所は藁葺きのあばら屋で、
通りからは泥壁にしか見えないし、道はとにかく悪い。
都会であり首都であるにしては、そのお粗末さは形容しがたい。
礼節上二階建ての家は建てられず、
したがって住民は主に迷路のような道の地べたで暮らしている。
道幅は狭く、家々から出た糞尿の汚物を受ける穴か溝で、さらに狭められている
ソウルの景色のひとつは、小川と言うか下水と言うか水路。
排泄物や、塵の間を悪臭を漂わせながら流れていく。
そうした水で洗濯をする女性たち 〜イザベラ・バード・抜粋