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愛知県の大村秀章知事のリコールに向けた署名集めに関連し、名簿書き写しのアルバイトに参加した福岡県久留米市内の契約社員の男性(50)が本紙の取材に応じた。男性は登録している人材紹介会社から「簡単な軽作業」「名簿を書き写すだけ」との趣旨の電子メールを受け、十月中旬から下旬にかけて佐賀市内の貸会議室で、時給九百五十円で作業をした。五百円の交通費も支給された。
実際のリコール署名集めで使われた用紙には、欄外に、高須クリニックの高須克弥院長と河村たかし名古屋市長の写真が掲載され、署名活動の趣旨が書かれていた。アルバイトに参加した久留米市の男性に記者が用紙を見せ、「この用紙に書き写したのですか」と聞くと、「まさしく、これです」と認めた。
男性によると、貸会議室は若者から高齢まで男女数十人で満員状態だった。男性が到着すると、作業中は携帯電話をポリ袋にしまって取り出さないようスタッフに指示された。「何かの試験会場のようにみな黙々と机に向かっていた」。
愛知県内の自治体名が印刷され、名前や生年月日が載った何らかの名簿の束を渡され「とにかく書き写して」と言われた。名簿には同じ地区の住所が羅列されていた。年齢も書かれ、小学生ぐらいの年齢もあった。
リコールのための署名簿は、一枚につき十人分の署名欄があるが、スタッフは「全部埋まっていると不自然なので、七人分ほどを書いたら次の用紙に記入をしてほしい」と注意した。印鑑か指印を押す欄もあるが、アルバイト側は、空欄のままスタッフに渡したという。