「マスク市場にたいしても、それなりのインパクトがあったのは事実でございまして、業者のなかにおいてはですね、ある種の値崩れを起こす効果にはなっているということを評価する人もいる」(4月28日の衆院予算委員会、安倍首相答弁)
8月3日にも、“さまざまな施策を講じたことで、店でマスクが手に入るようになった”と話していることから、その見解は今も変わっていないようだ。
だが、政府統計を見ると、全戸配布によって、マスクの供給量と価格が正常化したという主張には疑問符がつく。
もともと、国内で流通するマスクのおよそ77%は輸入品(2019年度、一般社団法人日本衛生材料工業連合会ホームページより)。
日本国内のマスク不足の主要因は、新型コロナウイルスの世界的流行のために、国内でのマスク需要が高まる一方で、マスクの輸入量が激減したことにあった。
不織布マスクは、世界共通のHSコード(輸出入統計品目番号)で「6307.90 029」に分類されている。
2019年の総輸入量は12万7,300トンで、中国産はおよそ85パーセント(10万8,724トン)だった。
だが、今年2月には中国からの輸入量が激減し、全体の輸入量も前年比56%にまで落ち込んだ。
しかし、3月には90%まで回復、4月からは前年を大きく上回った。
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安倍さんから…
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