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細菌による性病です。日本や欧米先進国では今日ほとんど見られませんが、東南アジア、インド、アフリカ、中南米にはまだ流行が残っていて、特にパプアニューギニアでは性病科を受診する男子の4人に一人は鼠径肉芽腫と言われています。鼠径肉芽腫の伝染力はそれほど強いものではなく、夫婦間でも10〜50%の感染率とされています。
【症状】潜伏期は8〜80日、陰茎、陰嚢、大腿部や陰唇、膣、会陰部の皮膚や粘膜に丘疹ができてただれ、肉芽腫となります。ただれがゆっくりと拡がって会陰部全体が潰瘍になったり、ひどいのは陰茎が崩れたりします。ローソク病と呼ばれるのはこの状態です。
【治療】臨床症状や病変部の組織検査で診断します。抗生物質のクロラムフェニコールやストレプトマイシン、テトラサイクリンなどで治療します。
「海外赴任者のための感染症対策」