「一発勝負支える」 元甲子園球児、医師で“初出場”
桐蔭学園高校
高校野球神奈川大会
高校野球 神奈川新聞 2019年07月07日 05:00
メディカルチェックのスタッフとして、初めて夏の神奈川大会に携わることになった桐蔭学園高OBで整形外科医の中沢さん=東京都内
メディカルチェックのスタッフとして、初めて夏の神奈川大会に携わることになった桐蔭学園高OBで整形外科医の中沢さん=東京都内
7日に開幕する第101回全国高校野球選手権神奈川大会。真夏の炎天下で白球を追う高校生の体を守ろうと、元甲子園球児の整形外科医・中沢良太さん(36)=桐蔭学園高出身=が張り切っている。準々決勝以降の出場選手に義務づけられている試合後のメディカルチェックに、スタッフとして初めて加わることになり、「この青春は一回きり。後悔のないよう全力を出してほしい」と球児を陰から支える。
「お世話になった神奈川の高校野球に携われて光栄ですね」。整形外科医として生まれ故郷の山梨県山梨市の総合病院に勤務する中沢さんは、念願の“初出場”に興奮を隠せない。大会中は横浜スタジアムでアクシデントに備えて試合を見守り、試合後は肩肘を中心に後輩たちをケアする。
ちょうど20年前の1999年夏。桐蔭学園高は神奈川大会を制して甲子園に出場した。2年生の中沢さんは二塁手のレギュラーとして活躍。甲子園でも8強に進んだ。主将を任された最後の夏は5回戦で東海大相模高に惜敗したものの、仲間との日々は、今でもかけがえのない宝物だ。
[匿名さん]
大学でも野球を続けるつもりだったが、医師の父親の存在と土屋恵三郎監督(現星槎国際高湘南監督)の勧めもあり、「スポーツに関わる医者に」と医学を志した。それまで野球一筋で「偏差値27からのスタート」と笑うが、2浪の末、日大医学部に合格。卒業後は東大整形外科の医局に進んだ。
高校2年夏の神奈川大会決勝で、華麗な守備を見せる中沢さん=1999年7月29日、横浜スタジアム
高校2年夏の神奈川大会決勝で、華麗な守備を見せる中沢さん=1999年7月29日、横浜スタジアム
真夏の横浜スタジアムでプレーする過酷さをだれよりも理解しているからこそ、球児へのアドバイスは具体的だ。「試合後は翌日に疲れを残さないよう、チームで場所を確保してしっかりストレッチの時間を設けてほしい」。自身も2年夏の準決勝の後、疲れ果ててストレッチを怠り、翌朝は起き上がれないほど腰を痛めたという。「決勝は力を出し切れない中でプレーした」と振り返る。
運動後の栄養補給も欠かしてはならないという。「運動後は2時間以内に食事をすることで、筋肉の回復力がまるで違う。揚げ物などは控え、エネルギーを補給することが大事」。短い日程で連戦が続く場合は、より重要になってくる。
医師として、同じ神奈川で戦った先輩として、中沢さんは球児たちにこれだけは伝えたいという。「高校野球は一発勝負。だからこそ本番でその全力を出し切れるよう、体のケアを決して忘れないでほしい」
[匿名さん]
立花学園、投球測定器ラプソード効果で快勝/神奈川
[2019年7月15日13時33分]
ラプソードの測定カメラ。2メートルほどの高さで設置する(撮影・鈴木正章)
ラプソードの測定データ管理画面。回転数や球速に加え、変化量や軌道のイメージも表示される(撮影・鈴木正章)
<高校野球神奈川大会:立花学園10−0神奈川商工>◇15日◇2回戦◇大和スタジアム
第3シードの立花学園が、神奈川商工を5回コールドで破り、3回戦進出を決めた。公式戦初先発の小川真憧(まなと)投手(2年)が、5種類の変化球を駆使して、5回2安打無失点の好投を見せた。同校は今年2月から投球の回転数、球速、変化量などを計測できる測定機器「ラプソード」を導入。投手力の向上に役立てている。
初先発で大役を果たした小川は「緊張したけど、ランナーを背負ってからは吹っ切れて自分の投球ができました。カーブでカウントが取れてよかったです」と白い歯を見せた。通常のカーブに加え、球速の速いパワーカーブ、縦横のスライダー、チェンジアップと5種類の変化球を操る。得意の縦スライダーは、ボールがジャイロ回転しながら鋭く落ちるという。「ラプソード」では、ボールの回転軸も計測できるるため、それぞれの変化球の習得にも効果的。小川も「球速や回転数もそうですが、回転軸が数値で分かるので、投げやすい」と振り返る。
この日登板のなかったエース須田悠斗投手(3年)も最速130キロ台前半ながら、直球の回転数は「プロ並み」とされる約2250回転。一般的な高校生投手で約1900回転とされ、いわゆる「キレ」の良さが数値として現れる。「球速も見ますが回転数を重視しています。過去のいい時のデータもあるし、自分の感覚が数値化されて投球の目安になります」と効果を実感している。
[匿名さん]
桐光学園・谷村「1」奪回へ無安打無得点/神奈川
[2019年7月14日15時37分]
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5回参考記録ながら無安打無得点試合を達成した桐光学園・谷村(撮影・玉置肇)
5回参考記録ながら無安打無得点試合を達成した桐光学園・谷村(撮影・玉置肇)
<高校野球神奈川大会:桐光学園10−0小田原>◇14日◇2回戦◇バッティングパレス相石スタジアム
桐光学園・谷村然(ぜん)投手(3年)が、小田原戦で5回参考ながら無安打無得点試合を達成した。5奪三振、無四球。味方の1失策がなければ「完全」だった。
桐光学園の背番号「10」が躍動した。球質の重たそうな「ズシン」という低重層音が響く。自身最速140キロという直球が、コントロールよく捕手のミットに吸い寄せられた。「ブルペンから走っていた真っすぐで勝負できた。ノーヒットはうれしいですが、あまり気にしていません。自分の役目は、ゲームを作ること。それができたことがよかった」と谷村は言った。
春季関東大会が終わったころから、投球フォームをスリークオーターぎみに、やや下げた。「打者が真っすぐを待っていても負けない真っすぐを投げたかった。フォームを変えて、球が指によくかかり、球の回転がよくなった。球速より球質にこだわりたい。重い球を投げたい」。球速も「137〜138キロどまりでは」と、どこまでも殊勝だった。
好きなプロ選手はドジャース前田健太投手で、ユーチューブで、スライダーの投げ方を参考にしているという。「まだ浮き気味の球もあった。丁寧にいきたい」。目標は背番号「1」の奪回。今は、2年の安達壮汰投手が背負う。「もちろん1番じゃなかったから悔しかったけど、神奈川(大会)で好投すれば、チャンスはありますから」。自身初の無安打無得点試合はまるで、気持ちにないようだった。
[匿名さん]