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『ドラ息子／ドラ娘』は古今東西居るもので、その中でも親の権力と資力を背景に犯罪を起こしても揉み消される例は多いが、マルコス政権のレムラ司法長官を親に持つ38歳の男が『大麻所持』の容疑で10月11日（火曜日）、麻薬取り締まり当局によって逮捕された。

この38歳の男、何をしている人物か伝わって来ないが、こういう親の権力と資力を背景にのうのうと暮らす人物が多いのもフィリピンの特徴である。

レムラ（Remulla）一族はマニラ首都圏に隣接するカヴィテ州で半世紀以上も知事、下院議員職を中心に政治王朝を築いていて、マルコス支持者と知られる司法長官は前の知事で現知事は弟が座っている。

38歳の長男は1キロ近い高級大麻、時価総額にして130万ペソ（約330万円）相当の小包をアメリカから送ってもらったが、マニラ国際空港の検査で引っかかり、フィリピン麻薬取締局（PDEA）によって逮捕された。

PDEAは司法省の傘下にあり長官サイドによる揉み消しもあるのでは見られていたが明るみにされ、長官本人はPDEAの捜査に称賛を与え厳正な法の執行に従うと表明している。

同長官はスイスに出張中で帰国は14日（金曜日）となっていて、長男逮捕は長官不在中に行われたことで憶測を呼んでいるが、取締り当局は任務を遂行しただけだと述べている。

起訴、有罪になると場合によっては最高で終身刑が科せられ大麻所持、販売だが、38歳の長男は大麻常習者で、押収した量の多さから密売目的もあったのではないか調べを進めているが、長官本人やレムラ一族は弁護士が多く、仮に起訴されても無罪獲得に強力な弁護を進めると見られ、ここでも権力と資力のある者に有利な司法制度という批判が起きている。

現在のところ、長男の犯罪によって長官が辞職するという動きは全くないが、前ドゥテルテ政権から『反違法薬物』政策を強力に推し進め、現マルコス政権も継承すると宣言している中、取り締まる当局のトップの身内のスキャンダルはさすがに不味いと政権内で出始めた。

特に38歳長男が逮捕された時期には国家警察（PNP）が主力になって違法薬物摘発、押収をし、その量が2日間で990キロ、時価総額67億ペソ（約168億円）の過去最大になる成果を上げていて、大統領自身にも今回の例はリトマス紙になると見られている。

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