>>965
2014年に400人以上を対象に行われた調査では、荒らしを楽しむ人、例えば悪意のあるWebサイトのリンクを貼ったり、ゲームで嫌がらせをしたりする人と、今挙げた精神状態の人には正の相関関係が見られました。
さらにコメントを投稿することに情熱を傾けている人ほど、より反社会的な動機が見られました。掲示場の会話に参加したり、オンラインゲーム上で友達を作ったりするためというより、荒らしをするために書き込むのです。
しかし調査では、荒らしを楽しんでいると答えた人は5%程度であり、60%以上の人はコメントを書き込むことによって対話を行っている、と答えています。つまり悪意のある荒らしを行う人はコメントを書き込む人のほんの一部であり、インターネットユーザー数と比べればさらに少ない割合なのです。
こうしたことは直感的にもわかりますが、興味深いのは荒らしを自覚している人と上述の精神的特徴とに正の相関関係があるということです。さらにそうした人たちはオンライン上での会話を、現実世界では表に出せない感情のはけ口にしています。
もちろん荒らしと自覚している人たちがみなサディスティックやナルシスト、というわけではありません。しかしこうした点は心理学者の興味をひいて、荒らしに関する調査をさらにすすめる動機づけになっています。そうした調査によってネット上の荒らしを多くの人が少しでも理解し、心ない言葉に対処できるようにしています。
多くの人は、ネット上の有害な書き込みは周りの状況に応じて自分の行動を調整できていないから生じる、と考えます。結局インターネットは新しいもので、社会的なルールがいつも明確なわけではありません。また規模があまりにも大きいため、それぞれのコミュニティごとに受け入れられる振る舞い方というものも異なっています。