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組織が大きくなる(組織を構成する成員の数が増える)につれて、組織は機能や目的に従って何らかの構造を持つようになる。構造は組織図などによって明示化されることもあれば、暗黙的に生じることもある。
主に企業について、組織構造には以下のものがある[5]:
官僚制組織
高度に専門化した職務に分化され、ピラミッド型の階層を構成する。上意下達の指示、命令が行われ、支配秩序が整備される。コンティンジェンシー理論によれば、不確実性の低い環境下で効果を発揮する。不要なレントシーキングを防ぐ効果もある。
職能別組織
営業、生産や開発などのような部署を配し、職能ごとに一つの組織へまとめた組織構造。効率を追求しやすく、職能ごとに専門性を蓄積、確立しやすい。中小企業に多い形態である。一方、全般的な管理能力が身につきにくい、意思決定が遅くなる可能性があるなどの欠点もある。
事業部制組織
製品別、顧客別といった複数の事業単位で編成される組織構造。各事業部が独立的に活動を展開することが多い。事業部間に競争原理が働くことなどによるメリットの一方、同じ組織内で不要な競争が生じたり、事業部をまたがるような活動が行いにくくなるといった弊害も指摘されている。
マトリックス組織
事業部制と職能別組織を複合した組織構造で、縦の組織と横の組織を組み合わせる。さらに3次元マトリックス組織もある。職能ごとの高度な専門性と、事業部組織の持つ行動力などのメリットを同時に達成できる。一方、1人の人間が縦横2つの組織に属することになるため、命令系統が混乱し、複雑な調整が必要になるデメリットがある。
プロジェクト組織
特定の課題を解決するために各部門から専門家を集めて臨時に編成される組織。