富山県高岡市が10月に米姉妹都市に派遣する訪問団の公費支出額を巡って、市議会野党会派から疑問の声が出ている。約10年前の前回訪問と比べると、航空機はエコノミークラスからビジネスクラスに格上げされ、1人当たりの旅費は6倍に。野党市議は「市民の理解を得られる範囲を超えている」と指摘している。(吉原裕之介) 高岡市は1977年に米フォートウェーン市と姉妹都市提携を締結。それ以降、双方の訪問団が5年ごとに両市を交互に視察して友好関係を深めてきた。本来ならば締結45周年にあたる昨年、高岡市の訪問団がフォートウェーン市を視察する予定だったが、コロナ禍で今年に延期となった。 立憲民主・社民議員団の石須大雄市議は21日の市議会一般質問で、全額公費でまかなう訪問団の体制や旅費について市に質問。市側は、訪問団は角田悠紀市長や中川加津代議長ら6人で、10月9~15日の7日間の日程でフォートウェーン市を訪問すると答弁した。1人当たりの旅費は183万円で、約1130万円を予算として計上しているとした。 ただ、市によると、2012年の訪問団は同じ7日間の日程で、今回より9人多い15人を派遣しながら、予算は半分以下の計472万円に収まっていた。1人当たりの旅費も約30万円だった。旅費が大幅に跳ね上がったことについて、市共創まちづくり課の担当者は「単純比較はできないが、物価高の影響や、前回は団体割引になっていた可能性がある」と説明している。 石須市議らが特に問題視しているのは、訪問団の航空機が例年エコノミーだったのに、今回からビジネスに変更されている点だ。石須市議は「国際交流は大変重要なことだと思う。しかし、税金を使う以上、市民の理解が得られることが大前提だ」と指摘。「これまで同様になるべく経費がかからないように計画していると考えて、予算案に賛成したが、現在の内容なら反対だ」と訴えている。