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60人で新チーム 輝け門前野球部
避難生活経て全体練習再開
2024年4月12日
山下さん「3年以内に甲子園」
2021年の入学者が11人にまで落ち込んだ輪島市の門前高校に今春、32人が入学した。市が22年、星稜高(金沢市)を春夏計25度の甲子園に導いた山下智茂さん(79)を野球部の指導アドバイザーに招聘(しょうへい)。選手寮などの整備も全面的にバックアップし、野球部に学校の存続を託して盛り返してきた。野球部には新入生の半数以上となる20人が入り、新チームは計60人の大所帯でのスタートになった。
同校は過疎が進む市西部にあり生徒数が逓減。15年以降の入学者は定員(80人)の半数以下の状態が続いていた。市は門前高1期生の山下さんに再建を依頼し、活動場所や寮の整備に着手すると、22年には前年の倍以上となる28人が入学。その翌年には46人が門をたたくまでに回復した。
今年は能登半島地震で被災し、多くの部員がしばらく避難生活を送った。一方で練習場や寮の損壊はほとんどなく、新チームを迎えるまでに全体練習を再開できた。
山下さんとともに指導するのが、星稜高の主将として14年夏の甲子園に出場した村中健哉監督(27)。最終回に8点差をひっくり返して甲子園の切符をつかんだ石川大会の決勝は、「世紀の逆転劇」と全国で話題になった。高校野球の指導者を志して日本体育大に進み、19年に門前高に赴任。部長を経て昨秋に監督となった。「部員が少ない頃から変わらず、選手のやる気を保てるような指導を心がけている」と強調。高校野球を全力で3年間やり切ってもらうのが信条だ。