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11日午前1時33分ごろ、白山市平松町のホテル「ウォーターゲート」の従業員から「女性が客室で首や胸から血を流して倒れている」と110番通報があった。女性は搬送先の病院で死亡が確認された。石川県警は殺人の疑いで捜査を開始。職業、住所不詳の中村信之容疑者（54）＝本籍富山市＝を金沢市片町2丁目の路上で見つけ、殺人と銃刀法違反容疑で逮捕した。調べに対し「弁解することは何もなく、殺意はあった」と容疑を認めている。

　　●片町路上で身柄確保、女性は福岡県出身か

　逮捕容疑は11日午前0時20分から同1時半ごろまでの間、ホテルで女性の首などを刃物のようなもので刺し、殺害した疑い。

　捜査関係者によると、女性は福岡県出身の23歳とみられ、捜索願が出されていた。金沢市で暮らし、デリバリーヘルス（無店舗型性風俗店）で働いていたとみられる。中村容疑者と顔を合わせたのは事件当日が初めて。女性と連絡が取れなくなったことを不審に思った店関係者が、ホテルの従業員に「部屋を見てきてほしい」と頼んだ。

　白山署によると、捜査員が駆け付けた際、女性は床に倒れていた。首や胸など10カ所近くに刺された痕があり、心肺停止の状態だった。ホテルの防犯カメラには午前0時すぎに女性と男がチェックインする様子と、男が1人で外に出て行く姿が映っていた。男は上下ともに黒っぽい服を着用していたという。

　カメラ映像から中村容疑者が浮上し、午前7時45分ごろ、捜査員が金沢市片町2丁目の路上で、同容疑者を見つけた。正当な理由なく刃渡り19センチの包丁を持っていたことから、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕し、その後に殺人容疑で再逮捕した。

　県警は被害者の司法解剖を進めており、詳しい死因と身元特定を急ぐ。同容疑者を12日午後、送検する。