史上初「10代の名人」誕生 芝野八段、張栩名人を破る
10/8(火) 19:07配信朝日新聞デジタル
史上初「10代の名人」誕生 芝野八段、張栩名人を破る
立会人の石田秀芳二十四世本因坊が「封じ手」を張栩名人(右)に見せ、2日目の対局が始まった=2019年10月8日午前9時5分、静岡県熱海市の「あたみ石亭」、迫和義撮影
囲碁で史上初の10代名人が誕生した。静岡県熱海市の「あたみ石亭」で打たれていた第44期名人戦七番勝負の第5局は8日、挑戦者の芝野虎丸八段(19)が張栩(ちょうう)名人(39)を破り、シリーズ通算4勝1敗でタイトルを奪取した。
11歳の芝野虎丸少年。自宅で分厚い囲碁本を手に寝落ち
19歳11カ月での名人獲得は、20歳4カ月で名人になった10年前の井山裕太・現四冠(30)の記録を破る囲碁七大タイトル戦史上最年少。規定により八段から九段に昇段する。2014年9月のプロ入り(初段)から5年1カ月の九段昇段は、過去最速だった井山の7年6カ月を大幅に上回るスピード昇段。最速、最年少の記録ずくめの名人獲得となった。
神奈川県相模原市出身。中学3年でプロ入りし、すぐに頭角を現した。17歳で名人、本因坊の両棋戦でのリーグ入りも史上最年少記録。18歳で世界最強と目される中国の柯潔(かけつ)九段(22)を早碁棋戦で破り優勝するなど、急速に力をつけていた。
前期名人戦で井山を破り、10期ぶりに名人に返り咲いた張の連覇はならなかった。(大出公二)