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19日、日本卓球協会は会見を開き、2025年4月1日から卓球日本代表チームの次期監督として、男子監督に岸川聖也氏、女子監督に中澤鋭氏が就任することを発表した。

2028年7月開幕のロサンゼルス五輪に向けて、卓球日本代表は新体制で始動することになる。

写真：（写真右から）星野一朗副会長、岸川聖也氏、中澤鋭氏、馬場美香強化本部長/撮影：ラリーズ編集部

岸川氏「恩返しができるチャンス」

打診があったときは「率直に嬉しかった」という岸川氏。

「13、4歳の頃から10年以上、選手としてナショナルチームにお世話になった自分として、恩返しができるチャンスをもらえた」と、意気込みを口にする。

「男子は、前回のパリ五輪で逃してしまったメダルをロス五輪で獲ることが目標。大会や合宿がないときの練習の質を上げていきたい」と、強化の展望を語った。

中期的に選手個人の実力をつけてシングルスの世界ランキングを上げ、チームランクも引き上げていきたい考えだ。

写真：男子NT新監督の岸川聖也氏/撮影：ラリーズ編集部

中澤氏「最高の舞台で金メダルを」

「大変光栄であると同時に責任を感じている。これまでの歴代監督たちが築いてきたものに、私が持つ現場の指導力を加えられれば」と、中澤氏は緊張した面持ちで語る。

石川佳純氏、平野美宇、木原美悠、長﨑美柚など、日本女子トップ選手の指導・育成で実績を残してきた中澤氏。

「ずっと代表監督は夢だった。これまで育ててきた選手たちと共に、最高の舞台で金メダルを獲りたい」

日本女子の目標は、ずばりロス五輪での団体金メダルだ。

写真：男子NT新監督の中澤鋭氏/撮影：ラリーズ編集部

新世代の発掘と育成も

パリ五輪を戦った男子代表監督の田勢邦史氏、女子代表監督の渡辺武弘氏は、それぞれ3月31日をもって退任となる。

五輪のメダルの数だけを見れば、東京五輪4つに対して、パリ五輪は2つである。

強化本部は、NT、JNT、HNT一貫の強化育成体制の構築や、選手・スタッフの人間力向上と育成など、新たな強化方針も発表した。

岸川聖也（きしかわ せいや）氏　略歴

1987年5月21日生まれ。福岡県出身。
中学3年時から10シーズンにわたって、ドイツ・ブンデスリーガに参戦。
世界卓球では、団体とダブルス合わせて7大会連続でメダルを獲得、2008年北京五輪、2012年のロンドン五輪では当時日本男子初の5位に入賞し、水谷隼と共に日本男子卓球の新時代を切り拓いた一人。
TリーグT.T彩たまのコーチ、監督を務めた後、現在は男子ナショナルチームのコーチを務めている。

中澤鋭（なかざわ るい）氏 略歴

1979年9月7日生まれ。中国出身河北省出身。
2012年から四天王寺中学・高校、ミキハウス卓球部で計13年間のコーチを経て、日本卓球協会JOCエリートアカデミーの女子監督に就任。ミキハウスコーチ時代には藤沼亜衣、石川佳純や平野早矢香らを、JOCエリートアカデミー女子監督時代には平野美宇、木原美悠、長﨑美柚らの担当コーチを歴任。2022年より、木下卓球アカデミー女子監督と木下アビエル神奈川の監督を務めている。

取材・文：ラリーズ編集部