宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション内(ISS)を移動して、宇宙飛行士の代わりに動画や静止画の撮影作業を担当するアシスタント役のドローンを開発した。
現在、ISSの日本実験棟「きぼう」で性能実験を行なっている。
現在、ISSの日本実験棟内で実験を行う際は、定点カメラを使って記録が残されているが、死角が多く画質も悪いため、宇宙飛行士がカメラを手持ちして撮影していることが一般的になっている。
しかし、この手持ちカメラの準備や撮影には時間のロスが多く、宇宙飛行士の作業全体の約1割を占めるほど負担が高まっているという。
JAXAが今回開発したのは、自律移動型カメラの「Int-Ball(イントボール)」。
直径15センチ、重さ1キロとグレープフルーツ並みの大きさで、地上からの遠隔操作によって、ISS内を自由に移動し、空中で静止しながらワイヤレスで撮影を行い、地上管制局へ画像や動画をリアルタイムで配信する。
イントボールがISSへ到着したのは今年6月。
米国のドラゴン補給船で運ばれて、現在は日本実験棟で性能を調べる検証実験を行なっている。
内蔵するファンを使って、フワフワと動く姿は、ガンダムに登場する小型ロボット「ハロ」そっくりで、宇宙飛行士の間でもすっかりペット的な存在だ。
しかし、イントボールはカワイイだけじゃない。
将来的には宇宙飛行士が撮影に使う作業時間をゼロにし、緊急時の事故現場の調査を行ったり、船外活動前の予備調査など、さまざまなミッションが期待されている頼もしいロボットなのだ。
【日時】2017年07月22日(土) 06:00
【提供】ハザードラボ