火山活動が激化するアオーバ島に対して、バヌアツ政府は13日、緊急事態を宣言し、全島民を島外脱出させると決めた。
マナロ・ヴォイ火山は、昨年秋に噴火活動が活発化したのち、数カ月間は沈静化していたが、3月以降、連日のように爆発が続いている。
今回は10月に続く2度目の避難だ。
オーストラリアの北東沖に位置するアオーバ島では、昨年9月に火山活動が活発化。
バヌアツ国家災害管理局(Geo-Hazards Department)が警戒レベルを危険度が2番目に高い4に引き上げたのを受けて、1万1500人の全島民が近隣の島や本土へ避難したが、今年1月までに全員帰島している。
しかし先月以降、再び噴火活動が激化し、昨年を上回る火山灰が連日降り積もり、酸性雨によってコーヒーやココヤシの農園は全滅し、家畜も相次いで死亡している。
今月5日の爆発では、2015年のチリ・カルブコ火山の噴火以来、最大規模となる量の有毒な二酸化硫黄が放出されたと、米スミソニアン協会の「全地球火山活動プログラム(GVP)」が報告している。
アオーバ島行政の長、ベヌエル・ガレー氏は12日、「島はもはや生物が安全に生活できる場所ではない。深刻な大気汚染で、井戸水は枯れ果てた。国家が救助の手を差し伸べなければ、全島民が死んで、やがて無人島になるだろう」と訴えた。
同国政府は13日の閣僚会議で緊急事態を宣言し、全島民の脱出避難を正式に決定した。
前回は、約10日間で、1万1500人を近隣諸島に移転させるために、第二次世界大戦中に英国軍が40万人の兵士をフランスから脱出させた作戦を手本に、ボートから漁船まであらゆる船を総動員させる手段を選んだが、今回は被害が深刻な地域に住む妊婦や子侠高齢者や病人を優先的に、秩序ある方法で避難させるとしている。
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【日時】2018年04月13日(金) 11:04
【提供】ハザードラボ