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【詐欺罪成立の5要件】
詐欺罪成立には5つの構成要件が必要です。
5つの要件のうち、ひとつでも該当しなければ詐欺罪は成立しません。
(1)欺罔(ぎもう)行為|錯誤を引き起こさせる行為
詐欺罪の成立を非常に難しくさせる特徴的な要件が「欺罔(ぎもう)」です。
欺罔とは、人を欺(あざむ)いてだます行為を指します。
欺罔行為とは故意に虚偽の事実を伝えた場合です。
(2)相手方の錯誤|錯誤に陥る行為
欺罔を受けた被害者が「錯誤」に陥っていることが詐欺の要件として必須です。
錯誤とは、内心的効果意思と表示行為が対応せず、しかも表意者がその不一致を知らないことと説明されます。簡単にいえば「うそにだまされて信じ込んだ状態」を指すと考えれば良いでしょう。
(3)財物の処分行為
詐欺罪における「処分行為」とは、つまり「金品を渡す」ことを指します。
被害者自らが財物や財産上の利益を交付することによって処分行為が完成する。
(4)財物・利益の移転
欺罔・錯誤・処分行為(交付)による一連の流れから財物・財産上の利益が移転した時点で詐欺罪が成立します。ここまでの要件を満たしていても、最終的に利益の移転がなければ詐欺未遂です。
(5)財産的損害
厳密には詐欺罪の構成要件ではありませんが、詐欺罪は財産を対象とした犯罪であるため「財産的損害」の発生も求められます。