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弁護士ドットコム 2022/12/16 10:05
侮辱罪が厳罰化され、匿名投稿者の情報開示手続きが簡略化するなど、2022年はネットの誹謗中傷をめぐる法整備が進んだ
「誹謗中傷の加害経験者」からの情報提供をもとめたところ、一定の反応があった。
ネット掲示板で、性風俗店のキャストを「性病」などと指摘する事実無根の投稿を繰り返していた50代の男性は、その行為が明るみとなり、慰謝料などの支払いで、約100万円を失ったという。
「相手が悪い、許せない。すべてはそこから始まってるんですから、書き込んでるときに悪いことをしている意識はありません。ただ、僕みたいなバカなことをするなという思いで取材を受けることにしました」
水商売や性風俗の世界で働く人の中には、卑劣な書き込みを苦にして、仕事を辞めるまで追い込まれるケースもあるという。
スマホから「モモは性病だ」などと事実無根の投稿を書くだけでなく、モモさんのツイッターに書き込みがあれば、掲示板ですかさず言いがかりをつけた。
モモさんからは、急に店に来なくなったことを心配されたが、そのLINEは無視したという。
「悪口を書かれているとも知らず、連絡してくる相手をバカにしていました」(関山さん)
あるとき、契約しているプロバイダから自宅に書面が届いた。掲示板に書き込んだ人の情報の開示を求められているので、応じてもよいかと尋ねる内容だ。
自分の投稿が記載された紙を持つ手はさすがに震えた。すぐに承諾し、その足で弁護士に相談した。
「損害賠償請求の裁判になって長期化する可能性もあります。お金も持っていたので、とにかく穏便に済ませたくて」
弁護士からは想定される事態の説明を受けた。そして、展開はその通りになった。モモさん側から数百万円の慰謝料請求が届き、弁護士間での交渉により、最終的に示談が成立した。関山さんの負担は、弁護士費用を含めて約100万円にのぼったという。