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■楽観論は禁物
その結果、ネット上では「0.12%」が独り歩き。感染爆発の惨状にもかかわらず、〈日本スゴイ!〉などの的外れな称賛も出ている。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。
「直近1カ月で見ると、日本国内の感染者の死亡率は欧米に比べて低いのは確かですが、直近1週間で算出するのは乱暴でしょう。直近1週間で確認された死者が必ずしも直近1週間の感染者というわけではありませんし、感染してから亡くなるまでタイムラグがあります。少なくとも1カ月程度の期間を参考にしないと、意味がありません。欧米に比べて死亡割合が低いとしても、それは医療従事者が必死で治療に当たっているからであり、現状の感染爆発を過小評価してはダメです」
加えて、累計感染者における累計死者数の割合は、決して「低い水準」ではない。累計感染者数の多い上位20カ国と日本の死亡率を比較すると、日本は1.21%で、アメリカ(1.66%)、インド(1.33%)に次ぐ高さだ。
厚労省によると、季節性インフルエンザの年間の感染者1100万~1500万人のうち、亡くなる人が2500~3400人。死亡率は単純計算で0.02%だから、コロナの方が約60倍危険なのだ。
コロナで100人に1人は亡くなっている。気を緩めてはダメだ。