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夫婦はオーストラリア人で、医師との会話は英語で行われた。妻は妊娠13週から同病院を受診。当時36歳で高齢出産になるため、胎児に染色体異常がないか、強い不安を抱いていたという。
「胎児の異常の検査はできますか」。17週の診察でこう質問した妻に対し、担当医師は精密な超音波検査を提案。妻は翌週この検査を受ける際に、検査医師にダウン症への不安を相談したが、検査医師は結果を見て「異常は見当たらず、ダウン症の特徴もない」と説明した。しかし、その後生まれた男の子はダウン症と診断された。
超音波検査には、全妊婦が受ける通常検査と希望者向けの精密な胎児超音波検査があり、後者を11~13週に行えば、うなじ付近のむくみなどからダウン症を含む染色体異常の確率を算出できる。だが、それ以降の時期では精密検査も顔や体などの形の異常を見つけるのが主な目的となり、染色体異常は分からない。
夫婦は医師らからこうした説明を聞いておらず、異常を知った上で出生に備える機会を失ったなどと訴え、病院側に対し、計1100万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
夫婦がどういう検査を求め、医師らが何と説明したのか。双方の主張は大きく食い違った。
夫婦側は17週の診察時点でダウン症の懸念を医師に伝え、染色体異常の有無を確認する「genetic test(遺伝学的検査)」を受けたいと希望したと主張。この時期の超音波検査がこの希望に合致しないとは知らなかった、と強調した。さらに検査医師が「(検査は)99%正確」と述べたとし、確定診断ができる羊水検査についての情報提供がなかったと訴えた。
一方、病院側は遺伝学的検査の希望は「聞いていない」と反論し、検査医師の発言も否定。ダウン症への懸念を知ったのは検査時が初めてだったとした上で、各場面で必要な説明は行っており、医療行為の内容や目的を十分に説明し、患者が理解した上で同意する「インフォームドコンセント」は適切に行われていた、と主張した。
6/8(日) 19:00配信
産経新聞
大阪地裁
夫婦はオーストラリア人で、医師との会話は英語で行われた。妻は妊娠13週から同病院を受診。当時36歳で高齢出産になるため、胎児に染色体異常がないか、強い不安を抱いていたという。
「胎児の異常の検査はできますか」。17週の診察でこう質問した妻に対し、担当医師は精密な超音波検査を提案。妻は翌週この検査を受ける際に、検査医師にダウン症への不安を相談したが、検査医師は結果を見て「異常は見当たらず、ダウン症の特徴もない」と説明した。しかし、その後生まれた男の子はダウン症と診断された。
超音波検査には、全妊婦が受ける通常検査と希望者向けの精密な胎児超音波検査があり、後者を11~13週に行えば、うなじ付近のむくみなどからダウン症を含む染色体異常の確率を算出できる。だが、それ以降の時期では精密検査も顔や体などの形の異常を見つけるのが主な目的となり、染色体異常は分からない。
夫婦は医師らからこうした説明を聞いておらず、異常を知った上で出生に備える機会を失ったなどと訴え、病院側に対し、計1100万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
夫婦がどういう検査を求め、医師らが何と説明したのか。双方の主張は大きく食い違った。
夫婦側は17週の診察時点でダウン症の懸念を医師に伝え、染色体異常の有無を確認する「genetic test(遺伝学的検査)」を受けたいと希望したと主張。この時期の超音波検査がこの希望に合致しないとは知らなかった、と強調した。さらに検査医師が「(検査は)99%正確」と述べたとし、確定診断ができる羊水検査についての情報提供がなかったと訴えた。
一方、病院側は遺伝学的検査の希望は「聞いていない」と反論し、検査医師の発言も否定。ダウン症への懸念を知ったのは検査時が初めてだったとした上で、各場面で必要な説明は行っており、医療行為の内容や目的を十分に説明し、患者が理解した上で同意する「インフォームドコンセント」は適切に行われていた、と主張した。
6/8(日) 19:00配信
産経新聞
大阪地裁