🛩️ 自衛隊・軍事全国

中国には他国のような国民の軍（国民軍）がありません。

近代においても、このような国民軍でない武装組織は存在しており、これだけを取れば珍しいことではありません。
例えば代表的なものには旧ドイツにおけるナチス党の武装親衛隊や、イラクのフサインも大統領親衛隊や共和国防衛隊があります。

しかしこれらの国には並列して国民軍が置かれていますが、中国の場合はこの国民軍がなく、中国共産党の私兵である人民解放軍のみしかありません。
まさに全体主義一党独裁国家の真骨頂と言えましょう。

戦後の先進国の国民軍においては文民統制〜シビリアンコントロールが基礎になっていますが、この中国の人民解放軍においてはこれは当てはまりません。
共産党中央による統制〜つまりパーティコントロールと言われるゆえんです。

こうした共産党ありきの特殊な軍隊ですから、自国の国民でも共産党の方針に物申すような人間に対してはその言論を徹底的に潰すのは当然のようです。
チベットやウイグル、また香港市民への弾圧もこの理屈で正当化されるのでしょう。

このような軍隊が恥ずかしげもなく〝人民解放軍〟と名乗るのは、我々日本人から見ればブラックジョークか、下手な漫才のボケ役にしか見えません。

しかし共産党が絶対的に正しく、他の価値観は認めないという全体主義の前提に基けば、間違った思想に毒された愚かな人民に教育的指導と懲罰を与え、間違った思想から〝解放してあげる〟という意味で、本心から自分達の方針は人民解放であると信じているのかもしれません。

このような我々から見れば到底理解不能な価値観を持つ中国共産党、そしてその手足となって働く人民〝解放〟軍が我々日本のすぐ近くに存在しています。
そして彼らは中国国内に限らず、アジア全域で様々な外交的な摩擦を引き起こし、開き直りとも取れる言動を繰り返しています。

この現状において、アジア諸国、欧米、オセアニアの各国も動き始めています。我が国として外交安全保障の面でどのような対応策が必要か、真面目に考える時がきているようです。