◇都「把握できない」
現在の築地市場(中央区)の再整備が検討され始めたのは1980年代。施設の老朽化などが問題になった。都は88年に一旦、現在地での建て替えを決め91年には着工したが、市場業者から営業への支障を訴える声が相次ぎ400億円を投じながら工事を中断した。
その後、都と業界団体でつくる「築地市場再整備推進協議会」が99年、市場を移転すべきだとする意見を集約。移転先の条件には「交通の利便性が良い」「築地の商圏から近い」ことが挙げられた。
協議会の検討の結果、築地から約2キロの距離にある江東区豊洲地区の東京ガス工場跡地が候補地として浮上した。当時の石原慎太郎都知事は腹心の浜渦武生副知事に交渉を一任。東ガスは土壌汚染を懸念し、都に「土壌処理などに大変な改善費用を要する」と意見したが、都は他の地権者分も合わせて最終的に計1859億円で取得した。元都幹部は「交渉内容は事務方に伝えられず、決定までの経緯は分からない」と明かした。
東ガスは2007年までに独自の土壌汚染対策工事を施し、都に引き渡した。その後に高濃度のベンゼンが検出されたため外部有識者の「専門家会議」が敷地全体を2メートルの深さまで削り、その上に4.5メートルの盛り土をする対策を提言した。
都によると、工事で削った土は最大積載量10トンの大型トラック16万9000台分にあたる計169万立方メートル。うち63万立方メートルは東京湾の新海面処分場と中央防波堤外側埋め立て地に、9万立方メートルは民間の処分場に埋めた。一部に汚染土も含まれていた。
現在の築地市場(中央区)の再整備が検討され始めたのは1980年代。施設の老朽化などが問題になった。都は88年に一旦、現在地での建て替えを決め91年には着工したが、市場業者から営業への支障を訴える声が相次ぎ400億円を投じながら工事を中断した。
その後、都と業界団体でつくる「築地市場再整備推進協議会」が99年、市場を移転すべきだとする意見を集約。移転先の条件には「交通の利便性が良い」「築地の商圏から近い」ことが挙げられた。
協議会の検討の結果、築地から約2キロの距離にある江東区豊洲地区の東京ガス工場跡地が候補地として浮上した。当時の石原慎太郎都知事は腹心の浜渦武生副知事に交渉を一任。東ガスは土壌汚染を懸念し、都に「土壌処理などに大変な改善費用を要する」と意見したが、都は他の地権者分も合わせて最終的に計1859億円で取得した。元都幹部は「交渉内容は事務方に伝えられず、決定までの経緯は分からない」と明かした。
東ガスは2007年までに独自の土壌汚染対策工事を施し、都に引き渡した。その後に高濃度のベンゼンが検出されたため外部有識者の「専門家会議」が敷地全体を2メートルの深さまで削り、その上に4.5メートルの盛り土をする対策を提言した。
都によると、工事で削った土は最大積載量10トンの大型トラック16万9000台分にあたる計169万立方メートル。うち63万立方メートルは東京湾の新海面処分場と中央防波堤外側埋め立て地に、9万立方メートルは民間の処分場に埋めた。一部に汚染土も含まれていた。