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球界平成裏面史(15) 巨人・ガルベス、審判恫喝暴投事件の巻】巨人・ガルベスが球史に残る暴挙に出たのは、前回小欄に書いた「巨人VS阪神大乱闘事件」の2日前のこと。平成10年(1998年)7月31日、甲子園球場での試合中、あろうことか、審判に剛速球を投げつけたのである。
6回、ガルベスが坪井に対し、カウント2―1からストライクと自信を持って投げた145キロの内角直球を、橘高球審がボールと判定。この直後、坪井に右翼越え本塁打を浴び、長嶋監督が橘高球審に投手交代を告げた。
当のガルベスは降板よりボール判定に怒り心頭。スペイン語で何やらわめくと、橘高球審に詰め寄ろうとした。
「何やってるんだ!」
長嶋監督がガルベスを怒鳴り、背中を押してベンチ前まで来た次の瞬間だった。ガルベスが尻ポケットからボールを取り出し、本塁近くにいた橘高球審めがけて思い切り投げつけたのだ。
シュート回転した剛速球が橘高球審の頭上高くにそれる。すると、審判団全員がベンチに駆けつけ「退場、退場!」。ガルベスがまた審判団へ突進し、止めようとした吉原が顎に強烈なヒジ打ちをガツンと食らう。口の中を切って出血し、とんだトバッチリとなった。
ガルベスの審判不信には、来日当初から根深いものがあった。現に、5月の横浜(現DeNA)戦でも「ヤツは横浜の味方か盲目だ!」と谷球審を罵倒している。
橘高審判への暴挙に対し、巨人は罰金4000万円、強制帰国、無期限出場停止と厳罰を科した。すると、ガルベスは8月14日の帰国前、こう開き直った。