読売新聞 2021/03/19 05:00
昨年、府警まとめ 客足回復は不透明
キタやミナミなど大阪市の主要な繁華街で、2020年に廃業を届け出たバーや居酒屋など深夜に酒類を提供する飲食店が、前年の2倍となる約300件だったことが府警のまとめで分かった。キャバクラなどの接待を伴う店の営業許可返納も2割ほど増加。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた店が多いとみられ、信用調査会社は「今後客足が戻らなければさらに増える可能性がある」としている。(松田祐哉)
午前0時以降に主に酒類を提供するバーやスナックなどの「深夜酒類提供飲食店」は、風俗営業法に基づき、警察に届け出る必要がある。
府警によると、市内の主要な繁華街を管轄する曽根崎、天満、南、都島の4署に出された廃業届は、19年が155件だったのに対し、20年は304件。地域別では、キタ(曽根崎、天満)が78件、ミナミ(南)が220件、京橋(都島)は6件で、いずれも前年を大きく上回った。深夜営業のみ廃業し、閉店時間を大幅に前倒しして営業を続ける店もあるとみられる。
月別では、2~4月は1桁台だったが、政府の最初の緊急事態宣言発令後の5月以降は一気に増加。特に7、8月は50件を超えた。また、キャバクラなどの「社交飲食店」の営業許可返納数も289件と前年(243件)より増加している。
府は昨年4~5月、緊急事態宣言を受け、バーやキャバクラなどを対象に休業を要請したほか、居酒屋などの飲食店には午後8時までとする営業時間の短縮を求めた。感染が再拡大した8月は、ミナミの一部地域に限定し、飲食店などに休業や時短営業を要請。11月下旬からは北区と中央区で休業や時短営業を要請し、12月半ばには市内全域に拡大した。
期間中、要請に応じた店には府や大阪市から協力金が支払われたが、経営を維持するのに十分とは言えず、閉店を決めた店が増えたとみられる。北新地で複数のバーを営む東司丘としおか興一さん(69)は5月、コロナ禍の影響で1軒を閉めた。「2月から客足が遠のき始め、赤字が拡大する前に閉めることにした。苦渋の決断だった」と胸中を明かした。
昨年、府警まとめ 客足回復は不透明
キタやミナミなど大阪市の主要な繁華街で、2020年に廃業を届け出たバーや居酒屋など深夜に酒類を提供する飲食店が、前年の2倍となる約300件だったことが府警のまとめで分かった。キャバクラなどの接待を伴う店の営業許可返納も2割ほど増加。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた店が多いとみられ、信用調査会社は「今後客足が戻らなければさらに増える可能性がある」としている。(松田祐哉)
午前0時以降に主に酒類を提供するバーやスナックなどの「深夜酒類提供飲食店」は、風俗営業法に基づき、警察に届け出る必要がある。
府警によると、市内の主要な繁華街を管轄する曽根崎、天満、南、都島の4署に出された廃業届は、19年が155件だったのに対し、20年は304件。地域別では、キタ(曽根崎、天満)が78件、ミナミ(南)が220件、京橋(都島)は6件で、いずれも前年を大きく上回った。深夜営業のみ廃業し、閉店時間を大幅に前倒しして営業を続ける店もあるとみられる。
月別では、2~4月は1桁台だったが、政府の最初の緊急事態宣言発令後の5月以降は一気に増加。特に7、8月は50件を超えた。また、キャバクラなどの「社交飲食店」の営業許可返納数も289件と前年(243件)より増加している。
府は昨年4~5月、緊急事態宣言を受け、バーやキャバクラなどを対象に休業を要請したほか、居酒屋などの飲食店には午後8時までとする営業時間の短縮を求めた。感染が再拡大した8月は、ミナミの一部地域に限定し、飲食店などに休業や時短営業を要請。11月下旬からは北区と中央区で休業や時短営業を要請し、12月半ばには市内全域に拡大した。
期間中、要請に応じた店には府や大阪市から協力金が支払われたが、経営を維持するのに十分とは言えず、閉店を決めた店が増えたとみられる。北新地で複数のバーを営む東司丘としおか興一さん(69)は5月、コロナ禍の影響で1軒を閉めた。「2月から客足が遠のき始め、赤字が拡大する前に閉めることにした。苦渋の決断だった」と胸中を明かした。