新型コロナウイルスやワクチンは、一部の人間が仕組んだもの――。こういった「陰謀論」に賛同する人がコロナ禍で増えている。日本も、そんな現象が起きている国の一つ。コロナ禍での陰謀論の動向と、なぜ陰謀論が生まれ、信じる人が現れるのか、その背景に迫った。
■ワクチンの目的は「人類管理」?超大物をも巻き込んだ陰謀論
「新型コロナウイルスはビル・ゲイツによって作られた」。2020年春、こんな“陰謀論”が世界で広がった。多くの人は笑い話で済ますだろうが、この言説を信じる人は世界中で少しずつ増えていった。
その結果、ビル・ゲイツみずからこの説を否定するまでに発展したのである。
それ以外にも、コロナに関する陰謀論は数多く生まれてきた。「ウイルスの感染拡大は仕組まれたもの」「ワクチンで人類を管理するのが目的」「5Gの電波でウイルスが拡散されている」などが散見される。
「コロナ禍の初期は、このウイルスは『中国が作った生物兵器』という陰謀論が数多く見られました。その後、世界的流行に突入すると『コロナは存在しない』『単なる風邪の一種であり、何かしらの陰謀で流行が作られている』といった陰謀論が増加。その延長線上でワクチンに対する陰謀論も出てきました」
コロナ禍の陰謀論の流れについてこう説明するのは、ライターの雨宮純氏。陰謀論をはじめ、悪徳商法やオカルトなどに関する取材を行っており、著書に『あなたを陰謀論者にする言葉』(フォレスト出版)がある。
新型コロナウイルスやワクチンに対してどんな見解を持つかは、もちろん個人の自由だ。たとえばワク..
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