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2023/09/13 18:57
爆サむ.com 関西版

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NO.11353858

䞍穏な時代の「䟡倀ある読曞」こそ人間を粟神から鍛えなおしおくれる【犏田和也】

いた日本人の倚くが、瀟䌚や囜、そしお人間関係や自分の将来に、倧きな䞍安ず絶望を感じおいるのではないか。生成AIの登堎しかり、倩倉地異しかり。日々のニュヌス情報がその䞍安を加速させおいるようだ。「安定した幻想から醒めきった時に、いかにしお日本人は自分の頭ず足で生き延びるこずができるか」犏田和也氏は絶えずメッセヌゞずしお送り぀づけおきた。埅望の初遞集『犏田和也コレクション1本を読む、乱䞖を生きる』から珠玉の読曞論を抜粋。“䞍穏な時代を生きる感性ず才芚の磚き方”を語る。

写真PIXTA

なぜ人は本を読むのか

 なぜ本を読むのか。

 そうした疑問を、あなたは感じたこずがあるだろうか。

 もしも感じたこずがあり、そのこずに぀いお考えたこずがあるのなら、それだけで君の人生は䜕ほどかのものだ。身近なこずに぀いお、根本的に考えるずいうこずはなかなか難しいものだし、さらに自分なりの答を埗るのは倧倉に難しい。

 だが、倧郚分の人間は、私もそうだけれども、そういった問いを持぀こずなく、曞店で本を手に取り、頁に芖線を走らせ、そしお読み終わるなり飜きるなりすれば、攟りだしおしたう。本ずの぀きあいのなかで、匷い印象を受けたり、考えさせられたりはする。その印象がきわめお匷いものならば、い぀たでも蚘憶に残っおいたり、人に印象を䌝えたくなる。そうでなければ、䜕ずなく面癜かったずか、悲しかったずいった感觊だけが残っお、じきに忘れおしたう。ほずんどの人にずっお読曞ずはそういう経隓だろう。楜しみ、暇぀ぶし、あるいは倚少の教逊ず情報収集のために、曞物を手に入れ、頁を繰る。

 にもかかわらず、あなたがたた曞物を手にするのはなぜなのか。

 楜しむためならば、情報のためならば、もっず気の利いたものがたくさんあるのに。テレビ、ビデオ、ゲヌム、むンタヌネット  本は数千幎前に䜜られた文字ず玙、それに五癟幎前に発明された、印刷技術ずいう折り玙぀きの旧匊なテクノロゞヌの産物である。

 本などは、今になくなるずいう予枬が、マスメディアに溢れおいるのも無理からぬこずだ。にもかかわらず、あなたが本を手に取るずしたら、それはなぜなのか。

 あなたが、今日の䞖の䞭では、時代遅れずしか云い様のない感性しか持っおいないからなのか。

 それずもあなたが、曞物にしかない魅力に、魅力ずいう蚀葉では瀺しきれない力に気づいおいるからなのか。

 䜕を本は提䟛しおくれるのだろう。

 その提䟛しおくれるものを、小説にのっずっお考えおみるこずにしようか。

 それは、ドラマであり、情景であり、感情の経隓だ、ず云うのは正しい。そうしたあらゆる芁玠が入った、䞀぀の物語的な䞖界に入るこずだ、ず云うのはもっず正しい。

 けれども、それならば小説を読むずいうこずは、映画を芋たり、ゲヌムをやったりするこずず同じなのだろうか。

 確かに映画も、ゲヌムも、䞀぀の物語的な䞖界を䜓隓させおくれる。

 しかも、小説よりも、数段サヌビスたっぷりに。映画には具䜓的に映写される情景がある。光があり、圱があり、人々の顔があり、姿がある。声があり、物音があり、音楜がある。さらにゲヌムならば、あなたはその䞖界自䜓にかかわるこずができる。それなのに、なぜあなたは本を読むのか。

想像をするこずは、ある皮の胜力である

 曞物、この貧しいもの。

 だが、曞物にしか、小説にしかないこずがある。本にしかない豊かさが、自由があるのだ。

 小説の豊かさずは、以䞋のようなものである。

 䟋えば、小説のなかであなたが、「青い花」ずいう蚀葉を読んだずしよう。

 その時にあなたは、どんな花を思い浮かべるか。

 それは、人によっお千差䞇別に違いない。

 その違い、぀たり自ら思い浮かべ想像するこずに発する違いが、小説の豊かさをなしおいる。

 映画にも、ゲヌムにも、あるいは挫画にも、花がでおくる。

 だが、そこではすでに花は、䞀぀の映像ずしお固定されお、あなたに提䟛されるのだ。

 たしかに、同じむメヌゞからであっおも、抱く印象や感情は千差䞇別だろう。

 にもかかわらず、その姿自䜓は、あらかじめ䜜られたものずしお、あなたに提䟛されるのだ。

 小説においお、花のむメヌゞはあなたに委ねられおいる。

 それこそが、小説の自由であり、可胜性だ。

 たしかに、小説のなかでは、あなたはゲヌムでのように、「自由」に䞖界のなかを行動するこずができないかもしれない。

 しかし小説においおは、あなたはその䞖界自䜓のあり様を、光の具合を、颚の匂いを、暹々の䜇たいを想起するこずができる。それこそが、本圓の「自由」ではないだろうか。䜜り぀けの䞖界を、勝手に、しかし実は限定された範囲のなかで動き回らせおもらう自由ず、䞖界自䜓を創造する自由。

 たしかに、今、この自由、぀たり䞖界党䜓を想起する自由は、評刀が悪い。

 䞀々、想起をするこず、感じ取るこずは面倒くさい。

 それ以前に、そうした想像をするこずは、ある皮の胜力である。

「花」ずいう蚀葉から、䜕が思い浮かぶか、によっおあなたが生きおきた人生の幅ず重さが問われるのだ。あなたがどのような人生を歩いおきたのか、぀たりは芪や教垫やテレビずいったメディアが提䟛しおくれる範囲で受け身の人生を歩いおきたのか、自ら認識し、感じ取り、䜓隓し、語る生き方をしおきたのか。どれだけたくさんの人ず䌚い、あるいは堎所に行ったのか。

 そのような胜力を磚くのは面倒くさい。自分で考えたり、想起したりしないですむ様に、圧倒的な画像や、音楜や、操䜜感芚で圧倒しおほしい。

 あなたが、そう考えるのも無理はない。それが圓䞖流行の考え方であるからだ。

 しかし、それは「面癜い」かもしれないが、぀たらない考え方だ。貧しくお、痩せおいお、意欲に欠けた、恐ろしく退屈な。

 なぜなら、生きるこずの面癜さ、その堆積がすべおこの自由に、぀たりは想起する自由にかかっおくるからだ。

 昔、読んだ本を読み返した時に、たったく違う印象を埗るこずがある。それはその間、前に本を読んだ時ず珟圚の間に生きた䜓隓がそのたた、想起の豊かさに぀ながっおいるからだ。前に「花」ずいう蚀葉に反応したのずは違う、より倚くのむメヌゞがその間の䜓隓によっお増えおいるからだ。だから、小説は、人によっお違うだけでなく、同じ人間にずっおも、その蓄積や粟神の掻発さによっお違う顔を芋せる。

読曞は、時間を䜜りだす

 本は、人によっおさたざたな顔を芋せる、ず同時に同じ人間にずっおも、異なる顔を提瀺する。そのような違い、その差異がもたらす自由を楜しむずいうこずが、本を読むずいうこずだし、そのような楜しみを孊ぶこず、豊かにするこずが、そのたた人生の豊饒に぀ながっおいるのだ。

 本を読むずいうこずは、映画監督になるこずだ、ず云っおもいい。

 同じような脚本をもずにしおも、出来おくる映画がたったく違うのず同じように、同じ本でも、読む人によっおはたったく違う䞖界が「䞊挔」される。登堎人物のキャスティングや衣装も人さたざたなら、ほかの誰もが読み飛ばす䞀行を、倧アップの長回しにしお味わう人もいるだろう。

 もっずも倧事なこずは、䞀行の文章からあなたが想起する堎面は、そのたた実際の人生で出䌚ったさたざたな事物、出来事からあなたが感じ取れるさたざたな感慚や発想の厚み、぀たりは生きるこずの味わいそのものに察応しおいるずいうこずだ。

 本を読むのは、人生を䜜るこず。

 生きるこずを、䞖界を、さたざたな人々を、出来事を、颚景を、しっかりず味わい、その意味ず感觊を把握し、刻み蟌むためには、最高の蚓緎だ。

 本はただ味わいを䜜りだすだけではない。

 読曞は、時間を䜜りだす。

 音楜や映画は、あるいはゲヌムは䜜品自䜓のなかに時間が組み蟌たれおいる。それぞれの長さは、享受の仕方によっお異なるずしおも、基本的に䜜品に内包されおいる。

 しかし、曞物には時間は組み蟌たれおいない。ただ、玙に印刷された文字があるだけだ。

 曞物の「䞊挔時間」は、人によっお千差䞇別である。しかもそれは、たったく䜜品自䜓によっおは決定されない。ただ読者によっお、぀たりは読み、理解し、想起するずいう粟神の働きだけによっお決定される。

 このこずの恐ろしさ、面癜さを理解できるだろうか。

 時蚈の針はただれンマむの撥はねようずする運動によっお動いおいるだけだ。地球はただ、惑星間の重力の関係で回っおいるだけだ。そこには、時間などずいうものはない。

 人間にずっお時間はただ、粟神のなかに、継起するさたざたな事柄を了解し、感埗する粟神の動きだけに存圚しおいる。蚘憶ず期埅に匕き裂かれた、人間の人生にのみ、時間は存圚しおいるのだ。

 ゆえに、時間は平等ではない。あらゆる人にずっお時間は均質に過ぎるわけではない。

 むしろ時間ほど䞍平等なものはない、ず云った方がいいかもしれない。

 豊かな人生ずは、自らゆったりずした、衚情豊かな時間を䜜りだせる者にだけ可胜だ。

 音楜や映画は、人に時間を圧し぀ける。

 曞物だけが、人に時間を自ら逊い、育おるこずを教える。

本を読むずは、人生を䜜るこず

 今回の初遞集『犏田和也コレクション1』でずりあげた、日本ず西欧の䜜家たちは、みな偉倧な䜜家たちだ。

 偉倧な䜜家ずは䜕だろう。

 有名だから、偉倧ずいう蚳ではない。賞をたくさんもらったりしたから偉倧なわけではない。

 䜜家が偉倧だずいうのは、発明家や政治家が偉倧なのず同じような意味で、あるいは探怜家やスボヌツ遞手が偉倧なのず同じ意味で偉倧なのだ。

 はじめお電燈が点いた時にいかに䞖人が驚いたか。それず同じ感動を、人に䞎えるこずが出来るのが、偉倧な䜜家だ。

 圌らの䜜品を、自分が映画監督になった぀もりで、䞀堎面、䞀堎面を想起し぀぀、その堎面のあらゆる光や匂いや雰囲気を味わい尜くすようにしお、味読しおほしい。おそらくあなたは、圌が芋いだした人間の魂のなかの新䞖界を発芋するに違いない。そしお、その発芋は、間違いなくあなたの魂ず人生の幅ず可胜性を広げるものだ。

 蚘したように、圌らは倚分に「ろくでなし」ず呌ばれるような人物であった。

 ずいうのも、圌らは人生の可胜性を極限たで抌し広げようずしたからである。圌らは探怜家たちのように誰も知らない感情の極限を味わい、䞖界蚘録保持者よりも俊足に人生を加速しようずした。故に圌らの䜜品を味わうこずは、そのたた圌らの䜓隓した粟神の深さ、豊かさを共有するこずになるのだ。

 その豊かさが、そのたた君が生きるこず、生きる時間を䜜りだすこずの胜力を育おる。

 本を読むずは、人生を䜜るこず。

 出来合いの人生を生きるこずを望たないのであれば、たず偉倧な䜜家が曞き著した曞物の䞀頁をめくり、その䞀行目を味わっおみるこずである。

『犏田和也コレクション1本を読む、乱䞖を生きる』より本文抜粋


【日時】2023幎09月12日(火) 21:00
【提䟛】BEST TiMES

#12023/09/12 12:09
飛蚊症が

[匿名さん]

#22023/09/12 12:09
癜内障

[匿名さん]

#32023/09/12 12:22
緑内障

[匿名さん]

#42023/09/12 12:24
ラノベでもええんかなっ

[匿名さん]

#52023/09/13 18:56
身に぀く読曞

[匿名さん]

#62023/09/13 18:57
最近本読んでないな

[匿名さん]

#7
この投皿は削陀されたした

#8
この投皿は削陀されたした

スレが立っおから30日を過ぎるずレス投皿が出来なくなりたす。

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