日本人のモラルはどこまで落ちるのか——。
イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したコラージュ画像がツイッターにアップされ、ネット上で大騒ぎになっている。すでに、殺害予告動画をまねた「イスラム国ごっこ」の画像や、人質の2人と黒装束の男にアニメキャラや政治家の顔をコラージュした画像が投稿され、海外メディアからも呆れられていたが、ついにここまでエスカレートしてしまった。
問題になっているのは、若い女性とみられる21日付の投稿である。
ムハンマドの額を銃で撃った画像がアップされたのだ。テロリストではなく、イスラム教自体を冒涜するような画像に、ネット上では、「さすがにマズイ」と批判が相次いだ。
しかし、本人は反発。
すると驚くべきことをするネット住民が現れた。
なんと住所、氏名、高校などを特定し、ツイッター上でイスラム国関係者を名乗るアカウントに通報したのだ。
これにイスラム国関係者とみられる人物が反応。
<(女性の現住所とみられる)徳島が神の侮辱>などとツイートする事態となった。これが本物だったら徳島でテロが起きてもおかしくない。
投稿した本人は<はっきりいってほかのひともイスラムあおってるしてきにまわしてるのにコラじまんしてるしあやまりもしません。なんでぼくだけおこられるのかいみわかりません>とツイートしていたが、あまりに無自覚で頭がクラクラする。
■書く方も騒ぐ方も「無知」
ITジャーナリストの井上トシユキ氏がこう言う。
「ネット掲示板の犯行予告にありがちな『思い立ったからやってみた』という短絡的な思考の人が増えたと思います。
また宗教問題は生死に関わることもあるという怖さを知らない。
『無知』であるため、最悪の結果を想定できないのです。もちろん、通報する側も『無知』といえます。
もし、今回のツイートがテロなどの問題を引き起こしたらどうするんですか。自己責任では済みません。
モラルを教えてこなかった周囲の大人にも問題があると思います」
【日時】2015年01月29日(木)
【提供】日刊現代