■危険度マックスの火山噴火
2017年11月、世界的な観光地であるインドネシアのバリ島の東部にあるアグン山という火山が噴火し、大量の住民避難や空港の閉鎖など、大きな影響を及ぼしています。
火山が噴火すれば、火砕流や火山灰によって甚大な被害が出ることもあり、他人事ではありません。
そもそも、バリ島の火山で起きたような事態は、火山国である日本でも普通にあり得ることなのです。
2017年現在、日本に存在している活火山についてみてみましょう。
ここで注意しておきたいのは、活火山の定義です。
むかし習った話とは違うと思うオヤジもいることでしょう。
従来は長期にわたって活動していないことから活火山ではないとされていた火山であっても、活動スパンが長いことを加味すれば活火山であるということです。
もっとも、気象庁の定義は1960年代に現在のものとなっていますので、あまり混乱はないかもしれません。
活火山…噴火の記録がある火山(気象庁)
また、火山噴火予知連絡会では、過去1万年以内に噴火した火山だけでなく、噴火活動を活発に行っている火山も活火山としています。
2017年6月の時点で、活火山の数は111になっています。
火山列島とも呼ばれる日本列島には、この111の活火山がほぼまんべんなく分布しています。
ただ、近畿・四国地方にはひとつもありません。
その周囲にあたる中部東海・北陸の西部と中国地方東部にも活火山がないため、近畿・四国を中心とする結構なエリアは活火山の空白地帯といえるでしょう。
ひとたび噴火すれば危険度マックスの活火山ですが、111すべてが直ちに危険となる噴火のおそれがあるわけではありません。
2017年現在で重点監視対象となっている活火山は50あります。
■50の活火山をチェック
監視対象の50火山は、火山噴火予知連絡会が選んでいます。
正式には「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」と呼びます。
それでは、気象庁のサイトに掲載されている50火山をチェックしましょう。
(北海道地区9火山)
・アトサヌプリ・雌阿寒岳・大雪山・十勝岳・樽前山・倶多楽・有珠山・北海道駒ヶ岳・恵山
(東北地区12火山)
・岩木山・八甲田山・十和田・岩手山・秋田焼山・秋田駒ヶ岳・鳥海山・栗駒山・蔵王山・吾妻山・安達太良山・磐梯山
(関東甲信越地区14火山)
那須岳・日光白根山・新潟焼山・草津白根山・浅間山・箱根山・伊豆東部火山群・伊豆大島・新島・神津島・三宅島・八丈島・青ヶ島・硫黄島
(中部東海北陸地区6火山)
・弥陀ヶ原・焼岳・乗鞍岳・白山・御嶽山・富士山
(九州沖縄地区9火山)
・鶴見岳/伽藍岳・九重岳・阿蘇山・雲仙岳・霧島山・桜島・薩摩硫黄島・口永良部島・諏訪之瀬島
※地方による分類は筆者が行ったものであり、複数の地方にまたがる火山については、いずれかひとつの地方にカウントしています。
こうして見ると、もともと活火山がまったくない近畿・四国地区に隣接する中国地区の2火山が含まれておらず、九州を除く西日本のリスクが低いことがわかります。
逆に、関東から東海にかけての海側や、長野と岐阜にかけてのエリアのリスクは無視できないようです。
とはいえ、それでは関西にでも引っ越すかという簡単な話でもありません。
自然災害は火山だけでもないですし。
そこで、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」が噴火した場合に、被害を受けると考えられる地域に住んでいるオヤジは、火山活動の情報に十分注意すべきだといえます。
同時に、いざというときに備えた避難準備や防災準備も心がけておきたいものです。
地震・カミナリ・火事・オヤジはむかしの話であり、現在では地震・カミナリ・火事・火山と認識する必要がありそうです。
いまどきのオヤジよりも火山噴火のほうがオソロシイことはいうまでもありません。
【日時】2018年01月05日(金)
【提供】YAZIUP