ゾウはすごいぞう
【2025年6月12日】タイ天然資源・環境省は、野生ゾウによる被害を受けた国民に対する補償制度を強化し、最大で50万バーツ(約200万円)の支給が可能となる新たな規則を施行しました。制度を管轄する国立公園・野生動物・植物保全局によると、官報への掲載を経て6月11日付で正式に発効しています。
この新制度は、チャルムチャイ・シーオーン天然資源・環境大臣の方針に基づき、ゾウによる人的・物的被害に対して迅速かつ公平な補償を行うことを目的としています。被害の対象には、生命・身体・財産・農作物が含まれ、既に制度開始から6件、総額102万バーツの補償が決定されています。
補償の対象となるのは、正当な所有権または借地権を持つ被害者または遺族で、補償を受けるためには、ゾウに対して挑発的行動を取っていないこと、警告や法令に従っていたことなどが求められます。土地や作物の被害に関しては、土地所有権を証明する9種類の書類のいずれかの提出が必要です。
補償を受ける手続きは次のとおりです。被害者は発生から3日以内に森林保護官や国立公園当局へ通報。その後7営業日以内に調査と評価が行われ、局長の承認を経て5営業日以内に補償金が送金されます。
現在、死亡事案2件(各50万バーツ)と、負傷者4名への補償が決定しており、総額は約102万バーツとなります。