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上伊那郡辰野町消防団が、毎年6月に行ってきたポンプ操法・ラッパ吹奏大会の開催を今年から取りやめることが4日、分かった。大会の1カ月以上前から早朝に行ってきた訓練を廃止し、団員の負担を軽減する。上伊那地方の大会や県大会への出場も取りやめる。団活動の在り方を巡っては、他の消防団の団員や家族らからも時代に合った形を求める声が出ており、今回の決定は議論に一石を投じそうだ。
県大会を主催する県消防協会と県消防課によると、地区大会や県大会に継続的に出場しないとする決定は、他の消防団では今のところ確認されていない。
辰野町消防団の団員数は昨年4月時点で493人。団長の古村幹夫さん(50)によると、町消防団では大会の1カ月以上前から週5日ほど、町内9分団がそれぞれ午前5時ごろから2時間弱練習をするのが習慣になっていた。団員のほとんどは練習後に出勤。毎朝の練習は協力する家族や職場への負担にもなっている—とする声が団員らから出ていた。
大会の取りやめについては同年12月、各分団長に投げ掛けて検討を依頼。今月2日の分団長会議では、「訓練を通じて団結力が上がる」と大会継続への肯定的な意見もあったが、大会への負担感から新入団員が確保できない—といった意見が多かった。
消防技術向上に向けた訓練は今後、週末を中心に通年で行う方針。内容も、大会で求められていた競技面ではなく、実際の火事現場で役立つ実践面を重視するとしている。