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南太平洋の島国トンガで、今月15日、大規模な火山噴火が起きたことに関連して、日本のネット上では、これに乗じたデマが流布されている。その内容は、いくつかのバリエーションがあるが、総じて「人類のCO2排出削減の努力が無駄になるほどの膨大なCO2が今回の噴火で、放出された。(地球温暖化防止のための)脱炭素など、自然の脅威の前には無意味」といったものだ。だが、これまでの火山噴火の事例から考えても、人間社会が排出する量を大幅に上回るCO2が、トンガでの火山噴火によって放出されたとは考えづらく、日本も含め世界が脱炭素社会へとエネルギー転換を行なわなくてならないことは全く変わりない。
大規模な災害が発生した際に、事実無根かつ悪質なデマが流布されることは、残念ながら、少なからずあることだ。今回のトンガでの大規模噴火に乗じたデマもその種のものなのだろう。ツイッターや、いわゆる「まとめサイト」でのデマには、いくつかバリエーションがあるが、極端なものでは、「人間社会が排出するCO2の100年分がトンガの火山噴火によって放出された」という主張すらある。また、このデマに関連して、「人間が脱炭素しても無意味」と温暖化対策を否定したり、挙げ句には「グレタちゃんはトンガの噴火を見て気絶したのかな?」「グレタは火山に抗議しろ」等と、温暖化対策を訴える著名な環境活動家グレタ・トゥーンベリさんへの揶揄がツイッターにいくつも投稿される始末だ。作家の竹田恒泰氏もツイッターにて「もしや、トンガの噴火で、グレタ終了した可能性ある。脱炭素も終わったか」と投稿、これを、まとめサイトが引用し、さらに拡散する状況となっている。