時事通信
阿武町が誤って送金した新型コロナウイルス対策関連の給付金を使ったとして、電子計算機使用詐欺容疑で住民の無職田口翔容疑者(24)が逮捕された事件で、町から振り込まれた4630万円のうち約8割を特定の決済代行業者に移していた疑いのあることが19日、関係者の話で分かった。田口容疑者は「オンラインカジノで使った」と供述しており、県警捜査2課が裏付けを進めている。
関係者によると、田口容疑者は阿武町から誤入金があった4月8日から多額の出金を繰り返し、同19日までに全額を別の口座に移したとされる。
出金先はデビット決済の5回以外は国内の決済代行業者3社だった。4月12日には300万円、400万円をそれぞれ異なる業者に送金。同日以外は別の代行業者1社に27回にわたって移されており、出金額は全体の約8割を占めていた。
1回の出金額は130万円台が大半で、16日から17日にかけては「134万508円」と同額の出金が8回続いた。いずれも1桁の端数が生じており、関係者は「外貨に換算して支出したため端数が生じたのではないか」と指摘している。
4月12日に移した400万円の出金先は決済代行業者が東京都江戸川区の金融機関に開設した口座だった。この振り替えが逮捕容疑となったが、県警は他の金の移動についても経緯を調べる。