社会福祉法人が運営する介護サービス事業所に勤めていた頃、上司から嫌がらせや降格処分を受けた。うつ病になり、自殺を図った。
介護保険に関する外部の協議会から、理事長就任を依頼されたのを機にパワハラが強まった。まだ相手に返事をしていないのに、「身勝手なことをするな」と罵倒された。過去に仕事の取り組み方で注意されたことがあり、嫌がらせを受けるようになっていた。
限界を感じて退職
理事長就任は認められず、手当の打ち切り、必要性の乏しい業務日誌の提出、賞与の減額などの処遇を受けた。パワハラで精神的苦痛を受けたとして、法人側を相手に慰謝料の支払いなどを求める訴訟を起こすと、降格処分になった。
心労でうつ病を発症。夜中になると車で遠出し、電柱に衝突させようと加速したり、車ごと海に落ちようとしたりした。髪は抜け落ち、かつらを着用。医師から強く入院を勧められても断り、仕事を続けたが、限界を感じて退職した。
訴訟は判決で主張の多くが認められ、上司の嫌がらせも指摘された。男性は「手当や降格は生活に直結するから精神的に参っていった。元の職場では、仲の良かった同僚が今も働いている。自浄作用がないと同じことが起こる」と話す。
「あいつは仕事ができない。関わるな」悪質なうわさ
パワハラは被害者の心身にさまざまな悪影響を及ぼすことが分かっている。車の整備工場に勤める北九州市の男性(34)は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した。
複数の上司から2年以上、嫌がらせを受けた。部品交換や注文の処理などで常に責められ、怒鳴られ、「あいつは仕事ができない。関わるな」と悪質なうわさも流された。
ある日、車の下側を修理していると、上司の車が速度を上げて迫ってきた。下敷きになりそうだった。後ろから体ごとぶつかられ、突き飛ばされて首を捻挫したこともある。仕事でミスをした後輩は、上司から「あいつと同じ刑にするぞ」と言われていた
[匿名さん]